私の隠し事
興梠司
第1話 隠し事
彼氏は私の家に来ようとするが、私は彼氏を家に入れたくない。
私には彼氏に秘密がある。
家に彼氏を連れて行くことは許されない。
この秘密を知ったら彼氏は私を幻滅する。
「今日あゆみの家行っていい?」
何度目かの誘い、私は断ることしか出来ない。
「大家に家に人をいれちゃいけないって言われてるんだよね」
となんどかの断り、先週は「部屋が本当に汚いから」と
断った。
彼氏は私に他の男性を部屋に囲っていると疑っているがそんなことはない。
彼氏と4ヶ月同棲していたのに、他の男を自分の家で囲う訳がない。
他に男がいると言ったとしても彼はなんとも思わないと思う。
「男から金取ろうぜ」で終わると思う。例え男がいても彼氏にそれを隠すことはないと思っている。
今日も彼氏の誘いを断って私は家に帰り、ベッドの横に小さい毛布でくるんで
いるものを開けて「ただいま」と呟いた。
毛布の中のものは「おかえり」と呟いてくれてるようだ。
一日が終わり家に帰り毛布を開けたときが私が一日生きてることが許される瞬間だとおもっている。この存在は彼氏や他の人に気づかれてはいけない。
彼氏と付き合って半年以上がたつが一回も家に入れたことがない、家の前にも連れてきたことがない。彼氏はその事を友達に相談したらしく「それ本当に付き合ってるって言えないよ」と言われたらしく落ち込んでる彼氏をみて私も「ごめんなさい」という気持ちになった。
私にこんな隠し事がなければと毛布の包をあけ今日も「かわいいね」と呟いた、毛布の中は本当に可愛かった、この子がいれば私は生きていけると思っていた。
突然彼氏から「家に連れて行ってくれないなら別れる」と告げてきたのは何回か断った夜のことだった。 私は彼氏と別れたくなかった、彼氏のことが大好きだったがあの秘密がバレるのが怖かった。
別れるくらいなら私の秘密を打ち明けてもいいのかもしれない、彼氏であれば私の秘密を受け入れてくれるかもしれないと思った。
例え受け入れてくれなくても私の気持ちはわかってくれるだろうという甘い気持ち
で彼氏を家に連れて行ってしまった。
今日はいつもより部屋が片付いていた、彼氏も「結構キレイじゃん」と言ったが彼氏は匂いに気づいた。私の家は腐敗臭がする、毛布の中に防腐剤をいれていたが腐った匂いはきえるものではなかった。
彼氏が毛布の存在に気づき「なんかここから匂いがしないか?」と言ったが
「気の所為だよ」と良いの中に「ごめんね」と良いタンスの中にいれ。私は彼と
体を重ねた、私は罪悪感を感じた。あの毛布をしまって私は幸せを感じていることが申し訳なくなった。
彼は仕事が早いからと朝6時に私の家を出ていった、私は急いでタンスから毛布を取り出し毛布の中身に謝った「こんな狭い所にいれてごめんね」と
彼氏は家に来た後から連絡が取れなくなった、仕事が忙しくなったと思ったが2週間たっても連絡が来ることは無かった。
何回が連絡をしたが彼から帰ってくることはなかった。
私はふとしたことを気づいた、彼氏が帰った後勢いよくタンスを開けた時
私が包んだ毛布の包み方とは違った、なにかの間違いかと思ったが革新に至った。
彼はあの毛布の中身に気づいたのだろう、あの毛布の中に赤子の死体がくるんであることを
あの毛布の中身は流産した自分の子供だった、トイレに行ったときに勢いよく子供まで落としてしまった。誰にも気づかれず血まみれにトイレに手をつっこみ引き上げた私の子供だった。私はこの子を流産してから子供が産めない体になっていしまった。
この子だけは形見にしようと毛布にくるんでベッドの横に置いている。
彼氏は家に入れるべきでは無かった、こんなのを見せられたら誰でも気持ち悪いと思うはずだ、彼女は決心した。もう二度と好きな人を作らずこの子だけと生きていくと
彼氏には「ごめん」とだけLINEをしブロック、電話番号は着信拒否をして私は
この地を後にした。誰も私のことをしらない土地に行こう
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