作品2『花』

安乃澤 真平

作品2-1

 私が小学5、6年生の時に所属していたクラスには、一人特別ないじめられっ子がいた。名前など覚えてはいない。当時の私にはその程度のクラスメイトだったのだと思う。しかしこうして数十年経っても、ふとした時に思い出すのであるから、私には意味のある「特別」ないじめられっ子だったのだと今になっては思う。


 ここではその子の名前を、便宜上□□とする。

 これは、その□□を勝手にいじめ、そして勝手に改心した「私」の話である。

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