第52話 仏教ですか?

酔っ払っているので、今日は少し脱線します。思想的なことは、時に争いを生むので、ハッキリと述べるのは躊躇うのですが……。


信教の自由はありますが、自由を認めるためにはそのガイドラインは必要です。社会的に益になるのか、ならないのか。


ただ、その物差しは難しい。


力をつけた宗教。つまり、国家的な権力を持つに至った宗教というのは、人間一人の救いよりも、宗教組織の存続を優先させてきた。


多くの宗教は神を立てる。

神のために人間が存在すると説く。

神を理由にして、したい放題してきた。

たとえ間違っていたとしてと、神だからと言い訳をする。

それは、神に意志の決定を委ねていることだと、僕は思う。


いま僕は、奈良県の明日香村にいます。

飛鳥時代、神道の代表として、物部という一族がいました。対して、蘇我は仏教を推し進めました。


幾度の戦争を繰り返したあと、聖徳太子を担ぎ上げた蘇我が勝利を収めました。


蘇我は仏教の流布を推し進めます。しかしそれは、仏教の思想とはかけ離れていたと思います。自身の権力を盤石にするために、仏教を利用した。


僕はそのように考えています。それでも、仏教の有用性は信じています。そんなことを調べるために、明日香村に来ています。

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