(二)-11

 彼女は、フライパンで焼いた目玉焼きを皿に盛って、テーブルに置いた。

「さ、食べよう」

 テーブルの上には、ロールパンが既に用意してあった。パンと目玉焼きの朝食だった。

「ごめんね。あるもので料理しようと思ったけど、これしかできなかったわ」

「ああ、いや、いいよ。ありがと」

「今日、大学行くんでしょう?」

「行くよ」

 そういえば、なんで僕が大学へ通っていることを知っているのだろうか。

「じゃあ、今のうちに携帯の番号教えて」

 僕がベッドから降りて、目玉焼きの半熟の黄身を箸でつついて破ろうとしたときに、彼女はそう言った。


(続く)

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