ひら、ひらり。
はぁて
第1話 たった1人の君へ
最近は、よく眠れてますか? ご飯は食べれてますか? お風呂には入れていますか?
ここに電話してくてくれて、ありがとう。君の声が聞けて安心しました。前回、僕と約束したもんね。来週の月曜日、またかけてくるって。約束守れてよかった。月曜日は辛いよね。今日は何時に起きたの? そっか。5時起きは大変だよね。〇〇さんは、僕よりも早起きだよ。朝ごはんは何食べたの? 卵焼きとベーコンか。定番だし、簡単に作れるからいいよね。僕は今朝はめかぶとオクラを混ぜたものをご飯にかけて食べたよ。健康的? そうかな。なかなか自炊するのも大変だから、簡単に済ませちゃうんだけど……〇〇さんは、最近ハマってることとかある? ふぅん。アニメが好きなんだ。何系が好きとかあるの? へぇ。美少女系かぁ。僕、あれは知ってるよ□△。高校の時に放送されてたから、よく見てたんだ。〇〇さんも知ってる? すごい。同志と初めて出会えたかも。
***
〇〇さん。また来週かけてきてよ。またアニメのお話聞かせてください。はい。じゃあ、お布団被ってあったかくして寝てくださいね。はい、今日は電話してくれてありがとう。うん、おやすみなさい。
_____________________
天使の声だ。と、〇〇は思った。
先週、どうにもたまらなくなって、こもれび相談室というところに電話をかけた。ここは、悩みを聞いてくれる電話相談センター。1回目は、回線が混みあっていて繋がらなかった。けれど、5分程待ってからかけたら、繋がった。
「こんばんは。こもれび相談室の
「こ、こんばんは……」
雛瀬という人の声は落ち着いていて……聞き心地がよかった。声からじゃ、性別はわからないけど。自分の人生で出会った中で、いちばん綺麗な声をしている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます