第19話019「ハズレモノというチート」

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第7回カクヨムWeb小説コンテスト】中間選考突破しました!

ひゃっほい!


「自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-」

https://kakuyomu.jp/works/16816700427239834870



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【固有スキル:ステータス偽装】

・自身のステータスのうち、『レベル』『HP・MP』『身体能力・身体硬度』『魔法』『固有魔法』『固有スキル』『体術』を偽装できるスキル。『名前・年齢・称号』は偽装不可

・『/』の左側が『偽装した内容』で、右側が『本来の内容』

・偽装部分のステータスの数値は好きなように・・・・・・変えられる。デフォルトは『本来の10%の数値』で表示

・ステータス偽装は『常時発動』が基本。魔力消費は微量(1時間につき、MP1消費)

・スキル発動は『常時ON・OFF』でOFFにすることもできる。デフォルトは『常時OFF』

・デフォルトの『常時OFF』だと『/』の両方の数値、つまり『偽装した数値/本来の数値』が表示され、且つ相手にも見える状態となる

・『常時ON』にすると、相手には『/』の左側の『偽装した数値』だけが表示。本人には『/』左右どちらの数値も表示される

・『偽装内容』と『常時発動ON・OFF』は、いつでも任意で変更可能


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「おお〜、出てきた、出てきた。なるほど、デフォルトではステータス偽装は『常時OFF』なのか。ということは、城でみんなにステータスを見せた時には『/』の左右両方のステータスも表示されていたと⋯⋯。でも、その時『/』の左側の値はすべて『??』ってなってたと思うけど⋯⋯」

「ふむ。それはな⋯⋯お前がワシからハズレモノの『きっかけ』を与えられる前だったからじゃ」

「え?『きっかけ』を与えられる前?」

「うむ。ハズレモノの称号を得た時点では、ハズレモノの能力は裏では『機能』しているが『力』として表には反映されていない。じゃから、この世界にきてワシから『きっかけ』を与えられる前は『/』の右側は『??』となっており、それは『本来のステータスの力が使えない』ことを意味する」

「⋯⋯え?」

「つまり、ワシから『きっかけ』を与えられないままじゃと、左側の『ステータス偽装』の数値である『レベル2の力』しか使えなかったということじゃ」

「そ、それって、もしハクロと会ってなければ、俺は⋯⋯」

「うむ。『本来のハズレモノの力』を使えないまま⋯⋯⋯⋯つまり『低レベルのまま』じゃったろうな」

「マ、マジか⋯⋯」


<もしも、ハクロと出会ってなかったら>⋯⋯⋯⋯そう考えるとゾッとした。


「まあ⋯⋯ハズレモノとワシは『切っても切れぬ関係』『出会う運命』⋯⋯という『運命の輪メビウス・リング』でつながっているから会わないってことはまずありえんがな? さて、ワシから『きっかけ』を与えられる前は『ステータス偽装の数値』しか力として反映されていないと言ったが、裏ではちゃんと『ハズレモノの成長スキル』は機能している状態じゃ」

「成長スキル?」

「成長スキルについては後で説明する。⋯⋯とにかく、今のエイジはワシから『きっかけ』をもらったことでハズレモノの能力を完全に使えるようになった⋯⋯⋯⋯ここまでは理解したか?」

「お、おう」

「うむ。ではここからは『ステータス偽装』の話になるのじゃが、まずハズレモノの能力を完全に使える状態になった今、『ステータス偽装』は『常時OFF』じゃから『/』の右側に本来のステータスである『レベル20のステータスが見える状態』となっておるじゃろ?」

「ああ⋯⋯」

「もし、この『本来のステータス』を隠しておきたいなら『ステータス偽装』を『常時ON』にして発動しておけば『/』の右側の数値は見えなくなり、左側の『偽装されたステータス』だけが表示されるようになるぞ。⋯⋯ちなみに『ステータス偽装』の消費魔力は『1時間:1MP』じゃから、常時発動しても1日で最大MPは『24』しか消費せんから使い勝手はいいぞ」

「へー、それはいいな」


 なるほど。『ステータス偽装』⋯⋯⋯⋯かなり便利で使い勝手のいいスキルだな。


 ということで、俺はハクロの言う通り『ステータス偽装』を『常時ON』に切り替えた。これで、相手には『/』の左側の『偽装ステータスのみが見えている状態』となった。


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【ステータス】


名前:エイジ・クサカベ(異世界人)

年齢:16歳


称号:ハズレモノ

レベル:2


HP:28

MP:19

身体能力:21

身体硬度:11


魔法:なし

固有魔法:なし

固有スキル:なし

体術:なし


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「さて、次にハズレモノの『固有スキル』の話じゃが、エイジの本来のレベルが自主訓練だけで『レベル20』になっていたのは固有スキル『理外の加護(Lv1)』の効果によるものじゃ」

「理外の加護(Lv1)?」

「それも『知識』として頭の中にあるはずじゃ。⋯⋯確認するがよい」


 ということで、早速確認してみた。


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【固有スキル:理外の加護】

・『理から外れた者』が受けられる加護。レベルが1〜10まで存在


【Lv1/恩恵と解放条件】

恩恵:『レベリング成長10倍』『魔法・固有魔法・固有スキル・体術の創造』

条件:『ハクロからきっかけを与えてもらうこと』


【Lv1/解放】

『レベリング成長10倍』

・経験値獲得量、ステータス成長率といった成長レベルアップに関するものすべてに10倍の補正


『魔法、固有魔法、固有スキル、体術の創造』

・『魔法、固有魔法、固有スキル、体術の創造ができるようになった

・レベルが上がっても、魔法、固有魔法、固有スキル、体術を獲得できない

・人に教えられても、魔法、固有魔法、固有スキル、体術を獲得できない

・魔法、固有魔法、固有スキル、体術の獲得は、創造することで獲得できる


【Lv2/恩恵と解放条件】

恩恵:『レベル100の限界突破(上限レベル300)』

条件:『レベル100に達すること』


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「レベリング成長10倍っ!? なんだ、このわかりやすいチートスキルはっ!!」


 こりゃ、またとんでもないスキルだな、おい。


「つ、つまり、俺って、みんなと同じように魔物を倒したり、自主訓練したらみんなより10倍の成長補正がかかるってこと?」

「その通り。つまり、みんなと同じペースで魔物を狩っても、エイジだけは10倍の速度で成長レベルアップするから、レベルアップの速度が桁違いということじゃ」


 そ、そういうことだよな⋯⋯。


 もはや、これだけでもかなりのチートなのでは?


「ただし、自主訓練についてはレベルアップは望めんぞ? おそらく、これが限界じゃ。そもそも、レベルアップは魔物を狩って経験値を得ることで伸ばすものじゃからな」

「そうなんだ」

「自主訓練はレベリングというより、習得した『体術』のを上げるためのものと考えた方がよい」

を上げる? ああ⋯⋯体術の技を『覚えるため』だったり、『磨きをかけるため』とか、そういうこと?」

「そういうことじゃ」


 と、ふとここでハクロが『体術』の話をしたのをきっかけに、俺は『理外の加護(Lv1)』のもう一つの恩恵である『魔法、固有魔法、固有スキル、体術の創造』について聞いた。


「『魔法、固有魔法、固有スキル、体術の創造』ってさ、今、確認したんだけど、これって見方によっては⋯⋯⋯⋯さっきの『レベリング成長10倍』よりやばくねーか・・・・・・?」

「ほう? そこにすぐに気づくとはやるな、エイジ? そうだ。この恩恵こそ『レベリング成長10倍』以上に大きなアドバンテージだと言えるじゃろう。なんせ、『魔法、固有魔法、固有スキル、体術』の習得方法が、魔法やスキルを誰かに教わるとか本とかで習得するものではなく、自分で自作して獲得するもの・・・・・・・・・・・・・じゃからな」


 そう。最初、『レベリング成長10倍』が目立ってすぐには気づかなかったが、よく見れば『魔法、固有魔法、固有スキル、体術の創造』のほうが遥かにやばいチートスキル・・・・・・・・・・・・だということがわかる。


 なんせ、『魔法もスキルも体術も、すべて自作・・して獲得する』ってんだから!


「ただし、デメリットもあるぞ? ハズレモノは『この世界の常識が通用しない者』じゃから、説明にもあるように、この世界の者たちと同じように魔法やスキル、体術を『人から教わったり、本などで習得する』ことをお前は一切できない。つまり、良い意味でも悪い意味でも『自分次第・・・・』ということじゃ」


 なるほど、確かにハクロの言う通りだろう。


 自分次第・・・・?⋯⋯最高じゃないか。なんせ、俺には⋯⋯⋯⋯『日本にいたときのアニメやラノベの知識』があるからな!


「ふっふっふ⋯⋯いろいろ・・・・創造つくるぜぇ〜(スギちゃん)」


 思わずニチャァと素敵な笑みがこぼれた。


「ふむ、気持ちの悪い笑顔だな」


 ほっとけ。


 そんなこんなで、俺はハクロに『ハズレモノ』の力を解放されたあと、このハズレモノのスキルについていろいろと教えてもらった。


 そんなこんなで、とりあえず、今の自分の状況を整理してみた。


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【現在の状況】

・クラスメートの策略により殺されかけた

・ダンジョンの最下層100階層でハクロと出会い『ハズレモノ』の力を得る

・『ハズレモノ』は本来『救世主』の役割

・『異世界転生者』は『ハズレモノ』のサポートとしての役割

・現在の世界は『ハズレモノ』は救世主としての存在意義どころか、『ハズレモノ』という称号を誰も知らない世界となっている

・『ハズレモノ』はかなりのチートスキルでした


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「のじゃロリぃぃぃーーーーーっ!!!!!!」

「ひあぁぁぁーーーっ!? だ、抱きつくなぁぁーーーっ!!!!」


 俺は嬉しさのあまり、ハクロに思わず抱きついた。


 だって、そうだろ?


 ちょっと前まで、城の奴らやクラスメートから『無能』とか『クズステータス』ってバカにされていたんだぜ?


 それが今では、あいつらの高スペックのステータスが霞むほど・・・のチート能力を得られたんだぜ?


 そんなもん、嬉しさのあまり隣の金髪ロリ美少女に抱きつくのは礼儀・・ってもんだろ?


 え? その後?


 もちろん、その金髪ロリ美少女から強烈な平手打ちご褒美をいただきました。


 ありがとうございます。

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