第4話  ライブホールと夜月さん

「ふんふふんふんふ〜ん♪」


私は思わず鼻歌を口ずさんでしまいます。


「ふふ。凛音ったら、とても上機嫌なのね。わたくしもそうですけど」


隣で、ふふ、と微笑むのは私のお友達の星空ほしぞら夜月よづきさん。

桜井家とはとても良好な関係の星空家の子なんです。

なので私とも仲が良く、友達&オタク仲間。

ちなみに星空家は、恋愛のことは夜月さんの自由にって言われているみたいなので、別にオタクでもいいらしい。

私にとっては、本当に羨ましいことなのですが。


「そりゃあそうですよ。今日はミントのライブの日なのですから!」


そうなのです。今日は、ミントの貸切ライブの日なのです。

どうやらお父様とお母様、それからお爺さまとお婆さまが用意してくれたみたい。

しかし、私が言うと、夜月さんが「しーっ」と人差し指を口に当てる。


「バレたらダメなんじゃないんですか?」

「あ、そうでした」


すっかり忘れていました。

すると夜月さんが「おっちょこちょいですね」と微笑みました。


「夜月さん、この部屋です」


私は大きなドアの前で夜月さんを止める。

そしてドアを開けた。

ギーーッ。

ドアの音が鳴ります。


「まあ。広い。さすが桜井家ですね」


桜井家のライブホールには、とても高い天井と、たくさんの座席。

まるで本当のライブのステージのようです。


「どこに座るんですか?」

「ええっと。確かここです」


そう言って私は普通の座席よりも少し高いところにある場所に移動して、そこにあった椅子に座る。

隣に夜月さんも座る。


「いつ始まるんですか?」

「そうですね。そろそろです」


そう言いながら私はノートとペンを準備する。

すると………

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