第4話農業事始めと長島城建設
長島の攻略が終わると、今川は気兼ねなく美濃を攻略するようになった。
太原雪斎が巧みに国人を裏切らせている最中で、この時代では当り前らしい。
今川家より俺の家臣になった方が、出世すると思ったのか今川義元に願い出た。
そして、今川義元はすんなりと許可を与えたのだ。
俺は幾つかの島を、埋め立てて大きな陸地に作り変えている。
土魔法は便利で、わずかなMPで大地を自由に作りかえれる。
川の氾濫から守るように、高い堤防も作り終えた。
今は農耕に適した土地に作り変えている最中だった。
大地に手を付いて、願うだけで稲に適した土壌が出来上がった。
耕す土壌は深く耕している。そして排水をよくして乾田化を進める。
そして、用水路も完備された現代風の田園風景が広がっている。
バラバラな田でなく。四角に整備された田園だ。
水も張ると綺麗な風景が続く。
勿論、植物にとって栄養満点な田園になっている。
俺が呼び寄せた坊さんは、
全てのお百姓が
1人1人鑑定して見きわめた結果だ。
そんなお百姓に稲作り講義を始めていた。
「いいか、稲の
実際にやって見せて、浮かんだ種籾をナイフで切り開いて見せた。
「どうだ、種としての栄養が足りてない。これだと苗に使えないな」
何だか新しい知識に、感心して話し合っている。
苗の育て方も教えた。
事前に育てた苗で、植え方を教えた。
木枠で三角柱を作り、間隔を等しくした所に切れ込みいれて、目印にした。
それを田に入れて、目印に苗を刺してゆく。
さし終わったら、木枠を前に回転して、同じように苗を植えて行く。
「何故、こんな手間を掛けるか分かる者は居るか?」
「分かりませんだ」
「そうだ、おかしいぞな」
百姓にすれば、おかしな話だ。
「これをすることで、風通しを良くして稲の成長が良くなるんだ。病気にも掛かり難いし、今までの稲より収穫量が増えるはずだ」
「それは、本当け」
「騙されたと思ってやってくれ。収穫の6割はお前らが自由にしていいぞ」
「それは、本当け。それなら家族の飢えもなくなるべ」
「それにな、この水田熊手で水草を取れるぞ。こうやって間が開いていたら、同じ幅の熊手がスイスイと水草が取れるんだ」
「ほう、便利な物だべ。腰を曲げなくて済むぞ。やはり殿様の考えることは違うわ」
「そして、稲が育ったらこの木酢液を500倍に薄めて散布しろ。稲の病気予防にいいらしい」
害虫予防にもなるし、木酢液を散布することで、土壌内の微生物が活性化されて稲に活力が沸くらしい。
「そんな物もあるだべか」
そして、百姓が使う農機具を見せた。
土魔法で、地中に埋まっている鉄を取り出した。
そのままで錬金術で、鉄を加工して作り出した。
そして手間が掛かったのが、足踏み脱穀機だ。
最初は木製で作ろうか迷ったが、土魔法なら金属には不自由しない。
それに自由に加工できる。
なので、鉄製の足踏み脱穀機が出来上がった。
使い方は簡単で、足踏みで円柱に回転を加えて、円柱には逆V字型の針金を埋め込まれている。
そして、その回転で稲の束を押し付けて穂から子実をこそぎ落とす。
千歯扱きを回転させた物だと考えると早い。
「なんじゃこれは、変な物があるべ」
そして、鉄製で出来た
この時代は、鍬は木製で先端に金属が使われている。
「これを頂けるのですか?」
「その分、しっかりと働けよ」
「ありがたや、ありがたや」
気が付いたら、全員が俺に向かって拝んでいた。
それぐらい百姓は、戦にかり出され年貢を納めて苦労をしているのだ。
俺は、優しい殿も悪くないと思う。
最後に俺の長島城を作り直した。
木造の
地上から5階建ての城は、瓦も使用しないが雨水対策は万全だ。
屋上の排水は、パイプをつたって下に流れるようにして溜めている。
そして屋上には、今後大砲を設置するので一番見晴らしが良い。
四方から攻める軍勢に、大砲の砲弾が撃ち出されて撃破するだろう。
そしてこの城の特徴は、向き出された壁に黒く塗られた城だった。
壁に水が染み込まないように、防水機能が備わっている。
わざと黒いペンキにして、城に塗りたくった。
そのせいで、長島城より
建物の中にはH型鉄柱が通り、耐震使用の建築物だ。
ちょっとやそっとでは壊れない。
まさにオーパーツな建築物になっている。
それに、壁の内側部は小さな泡状の空気層にして、断熱と防音効果の機能がある。
窓は外側が鉄板で塞ぐことが可能にしていて、内側は砂浜の砂からガラスを作って二重にしたガラス窓になっている。
勿論、錬金術で作ったので、ちょっとやそっとの衝撃にも耐える。
建築日数は30日も要した。
それに大きな水門で、城から大型船が出入り出来るように作った。
今後は、鉄製の船も造る予定だ。
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