第4話 種まきはデリケート

 〜たまちゃんは主婦、現在中高年〜


 春の休日の朝、私はミニキャロットの種をプランターに蒔いた。


 プランターの底に鉢底石を並べ、培養土を入れて平らにならし、3列、条間10~15cm、浅い溝を作り、1~2cm間隔で1~2粒ずつ種を蒔く。最後に薄っすらと表土をかけて終了。

 2つのプランターで1時間ほど掛かったかなと思いながら

「たまちゃん、こっちのプランターにも水遣りをお願い!」

「はぁ〜い」水遣り担当のたまちゃんの良い返事。

 そして、ホースの強力なシャワーでザザッーと水を撒く、たまちゃん。

 あっと言う間もなく、種の間隔も薄っすらと掛けた表土もぐちゃぐちゃになった。


「しまった。たまちゃんにお願いしてはいけない作業だった」修復不可能なプランターを呆然と眺め反省する私。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る