第25話 はじめて。





「そういえばさっきからどうしたの?なんかいつもより距離近い気が…」

「べ、別になんでも…こうしたらりゅうちゃん喜んでくれるかなって…みほにりゅうちゃんとちゃんと幸せにね。って言われたから……」


ソファーに座る僕にぎゅーっと抱きつきながらまゆは言う。


「そっか。ありがとう。今めっちゃ幸せだよ」

「えへへーよかったー」


僕を抱きしめるまゆが可愛すぎてまゆの頭をいっぱい撫でてあげる。


「りゅ、りゅうちゃんはさ…えっと…その……えっと……その……あれなことに興味ある……の?」

「え、きゅ、急に何?」

「み、みほが…その…りゅうちゃんに我慢させちゃダメだよ。って言ってたから……」


なんとなく気まずい空気になってお互いに黙り込む。まゆは顔を真っ赤にして僕を見つめていた。


「ど、どう…なの?」


興味あるに決まってる。さっき、一緒にお風呂入った時なんか勢いでそのまま、まゆとそういうことをしてしまおうかと思ってしまったくらいだ…その時は理性が止めたが…この流れでまゆがいい。って言ったら迷うことなくまゆを押し倒してしまう……


「ねぇ。どうなの?」

「きょ、興味がないって言ったら嘘になる。かな……」


精一杯、理性を保ちながらまゆにそう答えるとまゆは僕を押し倒す勢いで僕をぎゅっと抱きしめた。


「じゃ、じゃあ…えっと…その…やろ?」

「え…」

「興味、あるんでしょ?」

「いいの?」

「うん」


まゆの返事を聞いて僕はまゆをぎゅっと抱きしめてソファーに押し倒す。


「まゆ、好き。好き。大好き」

「まゆもりゅうちゃんのこと大好き。あ、でも…えっと…そういうことするなら…ちゃんと…準備してから…」


ここまで来て我慢できない。とは思ったが、そこは無理矢理理性を働かせて必死に我慢をした。


そしてそのあと、まゆと近所のコンビニに向かって準備をしてからアパートに帰りお互いの初めてを交換した。まゆはどう思っていたかわからないが、僕にとっては最高に幸せな時間であったことは覚えている。






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