第14話 デート
まゆとお買い物に来て、雑貨屋さんで生活に必要な物や足りていなかった食器などの買い足しをしているとあっという間に時間は過ぎていく。まゆは雑貨屋さんが大好きで目を輝かせながら小物を見たりしていてそういうまゆの横顔を隣で見ることが僕にとって幸せなことだった。
「……なぁに?そんなにじろじろ見て…」
「なんでもないよ」
「なんでもないならそんなにじろじろ見つめるのはやめてくださーい」
「あー、まゆがかわいいくて見入ってました。すみません」
この幸せを禁止されたら嫌なので、まゆに正直に伝えるとまゆは少し顔を赤くして照れ始める。かわいい。結局、まゆにあまりじろじろ見ないで、まゆにバレないようにして。と言われてしまった。
「それより、お腹空いたね。どうする?遅くなっちゃうけど帰ってまゆが作ろうか?」
既に時間はお昼時を結構過ぎていた。必要な物の買い物は終わったのでショッピングモールにいる用事はなくなったのだが…せっかくまゆとデートしているのでもう少し堪能したい気持ちが強い。
「せっかくだから外で食べようよ。えっとさ、ここから近い場所でまゆが好きそうなカフェ調べておいたから行ってみない?」
「あまり贅沢してる余裕ないでしょ…」
「大丈夫。まゆと一緒に暮らすって決まってから数ヶ月は普通に生活できる分くらいの貯金はしてるからこれくらい大丈夫。まゆが余裕なかったら最初のうちは僕を頼ってくれていいから」
「ま、まゆだってりゅうちゃんと一緒に暮らすって決めてから貯金したもん。りゅうちゃんこそまゆを頼ってくれていいからね」
「じゃあ、今日のお昼はカフェ行こう。せっかくのデートなんだからそういうことはあまり考えないで楽しもうよ」
「そ、そうだね」
お互いがお互いとの生活のことを以前から考えていたことがわかってちょっとだけ嬉しい気持ちになる。まゆもいろいろ考えてくれていたんだな…
一応、2人で決めたルールとして生活費と家賃光熱費などは月末にレシートなどをまとめて2人で折半、そして将来のために一定額をお互いきちんと貯金して残ったお金はそれぞれ自由に使えるように決めていた。僕は趣味はあるけどあまりお金をかけないタイプの趣味なので自由に使えるお金は貯金とかまゆとデートする時に使いたいと思っている。
まゆには生活で生活力のない僕をいっぱい助けてくれるからそういうところで恩返しがしたい。
「いくつか候補あるんだけどこことかどう?」
まゆにカフェの写真やサイトを見せるとまゆはめっちゃ行きたい!と言ってくれる。まゆはカフェ巡りが好きでいろいろなカフェを一緒に巡ったのでまゆの好みは把握している。まゆが喜んでくれそうだな。と思って見せたら喜んでもらえてよかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます