後味の悪いフリーホラーゲーム「NightMare」

雪音 愛美

STORY0-0 タイトル画面

目の前にある真っ暗い背景の中に赤で浮かぶ文字。


「フリーホラーゲーム NightMare」


カチカチ、と「start」の部分をクリックすると、

パッと画面が変わった____



ちょっとした息抜きのためにゲームでも、と思ってパソコンを開いてフリーゲームを検索した。

すると一番上に出てきたのがこのフリーホラーゲーム「NightMare」だった。

グラフィックデザインが素敵でシナリオストーリーも良さげなやつだったので、嬉々としてダウンロードした。

ホラーはあまり得意ではないが、度重なる就活の面接と不合格通知に精神が耐えかねていたので、まあなんとかなるだろうと思ったのであった。

少なくともこんな現実とはおさらば出来るような内容であれば、それがホラーでもミステリーでも、はたまたスプラッタでもなんでも良かった。


ゲームをダウンロードしている間にヘッドホンを発掘、パソコンに接続してから、部屋を暗くする。

昔からホラーゲームをする時やホラー映画を見る時は、世界観に入りたいがためにこうするのがクセだった。

友人には「ホラーが苦手な癖してそういうところしっかりと忠実に守るよね」と言われているが、自分も同じ気持ちだった。


ウィィン_________


パソコンがダウンロードをする音を聞きながら、机の上に新しいポテチと温かいココアを用意する。

ゲームをしている間は世界観に沈みこむためか、飲み物や小腹が空いた時に食べる物を取りに行く事はしなかった。

世界観を壊したくないという気持ちが一番だが、その反面取りに行くのに寒い廊下に出なければならないのが億劫だったからだ。

と、パソコンがキュイーン、と音をたてた。

パソコンの大画面に大きなタイトルと共にスタート画面が出てくる。

ヘッドホンから聞こえる、ホラー独特のミステリー調の音楽が聞こえた。

ごくんと喉を鳴らしてから、マウスを「start」に合わせてカチカチッと二度クリックする。


パッと真っ白な画面が写って、

ゲームが始まった_________

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