第22話 樽革命

 前回からのつづきで、ブリタニカの百科事典の『樽』の項目を開いてみました。



・鎌倉末期から室町時代にかけて、


・たが締めの、桶結い技術が発達し、桶に蓋を固着した……容器が出現(=樽)


・液体の運搬・貯蔵に便利


・従来、運搬が困難であった酒・油などの遠隔地取引を可能にし、酒造業、製油業などの発達を促し、経済発展に大きく貢献した。



 ……と、実は、「樽」というのは、今でこそ、なんでもないものですが、当時としては、商業革命級のものではなかったかと……どこの何兵衛さんが造ったとも知られていませんが、発明した人、すごい!


 今でいえば、スマホ級の……いや、それは言い過ぎ?


 酒の年中熱燗文化の、出現・衰退も、これに付随した現象だったのではないか。


 そしてまた、この『樽革命』が、鎌倉幕府の滅亡や、室町期の政治・軍事に、どのように関わっていったのか……調べたら、小説が一本できそうですが……いや、僕はやりませんけど、笑……おもしろそうなテーマだと思いました。



 ちなみに、樽以前は、壺です。

 壺は、土器や陶器などの焼き物です。


・樽のほうが、密閉が容易なため、液体運搬に適している

・樽のほうが軽い。壺のほうが重い。

・樽のほうが、修理が容易。

・樽のほうが、大きなもの、巨大なもの(醸造用の樽など)を造れる。


 ……など、樽には、さまざまなメリットがあったわけです。

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