25点目 「コンビニ店員流、人間観察術」  【4/13(水)】

 相変わらず暑い日が続いておりますが、これをご覧の皆様はいかがお過ごしでしょうか。この暑さも今日あたりで和らぐとのことですが、果たしてどうなんでしょうね…。

 もうすっかり春を飛び越して夏の気配を感じる陽気の地域も多いのではないでしょうか。

 さて、今日のお話は上にあります通り、コンビニ店員流の「人間観察術」について。

 穏やかでない感じもいたしますが、あくまで一店員の視点からに経験則を基にしたお話です。タカハシは心理学とかが専門ではないので、あしからず。

 コンビニ店員としてお仕事させて頂いておりますと、毎日のようにたくさんのお客様にお会いすることになります。私がこのお仕事を始めてからもう何年も経ちますが、果たしてこれまでお会いしたお客様の数は、いったいどれほどになるんでしょうかね。

 これだけの数のお客様にお会いしてますと、段々とお客様の「パターン」のようなものが見えてまいります。

 例えば、レジでお会計をさせて頂く時。この時気にしていることは、我々店員に対するお客様のお言葉遣い、お客様がどのようにレジ台に商品を置かれるか、こちらのお声がけにどのような反応なさるか、といったことですね。

 レジの中から見えるものには限りがありますが、それでも意外と参考になることって多いんです。お顔を拝見するのが一番色々と分かるのですが、度を超すと失礼に当たりますので、店員が一番拝見しているのはやはり「お客様のお手元」ですね。

 慣れてきますと、お財布や宝飾品、スマホケースやカバン、お手回り品などを拝見するだけでそのお客様の人となりが推測できるようになるのです。

 こう書くとかなり悪趣味だと思われそうですが、これもちゃんとお仕事の役に立つことなんです。というより、自分の身を守る術と言った方が正しいでしょうかね。

 我々コンビニ店員は、こういったお客様の言動を基にしてお客様へのお声がけなどを変えているのです。

 まず始めにお客様のお姿を拝見してある程度推測を立てつつ、レジで「お預かりいたします」と一声お声がけして、それにどう反応なさるかで変えていく、って感じですかね。

 お客様のお声のトーン、どれぐらいお話になるか、などかは結構神経を尖らせて確認するようにしてますね。それを基に、自分がどれぐらいの声量でお声がけするか、会話の速度や声の高さ、お声がけの言葉を多めにするか極限まで減らすか、まで考えてお話するようにしてます。

 新人研修の時は、「接客は愛想よくにこやかに大きな声で」と教えられますが、それも時と場合によりけりですからね。深夜にお疲れのお客様に対してそのような接客をしようものなら、逆にお客様にご不快な思いをさせてしまう可能性も大いにあります。

 私は夜遅くになると、基本お客様のご様子に関係なく、声のトーンを下げて、声量も少し控えめにしていますね。

 ここまでレジでの接客場面に限ってお話をしてきましたが、この観察術は店内にいらっしゃるお客様に対しても応用することができます。

 一番分かりやすいところですと、同じ場所を何度も歩いていらっしゃるお客様は何か商品をお探しのことが多い、とかでしょうか。この場合、私はすぐにはお声がけせず、まずは何か用事を作ってお客様のお近くまで行くようにしています。もしそれでお客様が本当に何かお探しなら、必ず店員にお声がけなさいますからね。店員がいきなりお客様に近づいていって、「何かお探しですか」とお声がけしてしまうと、必要以上にお客様が身構えてしまわれることが多いので、このような方法をとるようにしているのです。

 あと、あまり考えたくはないですが、もし仮に店内に少しご様子が気になるお客様がいらした時も、同じように対応させて頂くようにしてますね。段々慣れてくると、不思議とそういうことが直感的に見抜けるようになってくるんですよね。サキちゃんも私もいつの間にかその能力を会得していました(笑)

 この能力を会得してからは、いわゆる「クレーマー」のようなお客様からきついお言葉を頂戴することも少なくなった気がしますね。制服を着ている以上、完全に避けることは不可能ですが、ここ最近はかなり軽傷?で済んでる気がします。

 こうやって毎日のようにお仕事をさせて頂いていれば、放っておいても人間観察術を身についてくるのはしょうがないんですかね……。

 まぁこの能力は得をすることこそあれど、持っていて損をすることはありませんからね。個人的には、コンビニでお仕事させて頂く中で得た一番の大きな物な気がします。

 ざっと大枠を書いただけみたくなってしまいましたが、今日もこのぐらいにしておきましょうかね。

 今日で平日も折り返し。お仕事や学業など何かとお忙しいことかと思いますが、華の金曜日目指して、皆様もお身体ご自愛下さい。

 それでは、またのご来店をお待ちしております。

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