ある男の話

りりん

渇望

夢の中を歩いていると

貴方に会いました

どこまでも黒い夢でした

自分の存在を見失うほど

なにも感じぬ夢でした

そこでも貴方は輝いて

貴方の背後がよく見えました

赤い瞳をもった影一つ

獲物を奪うなとその眼が言う

それが貴方を守っているのですか

私達では貴方を守りきれなかった

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