The After

ある異国の戦火の中

独裁者がこう言った


「この国の上空を飛ぶ飛行機は

例え民間機でも撃ち落とす」


さらにこう言った


「猶予は今から48時間だ」


空港から逃げるように飛び立つ

無数の外国籍旅客機


それらに私達が乗るシートは

確保されなかった


遠く異国の戦地に残された私達は

祖国からの救援機に望みを託した


しかし


救援機は飛ばないとの最終通告

脱出の望みは無くなった


刻々と過ぎ行く時間

遠く鳴り響く爆発の音


恐怖と絶望で体が震えた


猶予が残り3時間となったとき

思いもよらない連絡が入った


私達のために

救援機が用意されたという


空港で私達を待っていたのは

トルコ国籍の旅客機だった


私達を乗せて離陸した救援機は

トルコの都市イスタンブールへと向かった


戦闘機に撃ち落とされる恐怖の中

ただエンジン音だけがきこえていた


私達は救援機に揺られながら

祈るしかなかった


独裁者が決めた猶予期限が

いよいよ迫ったその時


キャビンの静寂を破り

機内アナウンスが流れた


" Welcome to …… ISTANBUL!"


安堵と感謝の気持ちで

涙が止まらなかった


そのとき私達は

命を救ってもらったのだ

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