スリーアウト+
塩塚ヨシイサ
襲撃
俺の名前は
黒目黒髪で目の下にずっと黒い隈があるせいで不健康そうとか爆弾作ってそうとかよく言われる。
不幸を引き込みやすいのか7年前に異世界転移に遭遇して、散々な目にあってきた。
現在は異世界でなるべく人との接触をさけ、街から離れた山に結界を張りのんびりやっていたのに、襲撃者によって平穏が崩されようとしている。
襲撃者は3人、身長160センチくらいの黒髪でショートボブの女を中心にして左右に170センチくらいの優しそうな顔の男と185センチくらいの筋肉質な屈強な男である。
「クロウ君ひっさしぶぅりぃ〜」
「弁ちゃん久しぶり…… なかなか連絡が取れなかったんです……」
襲撃してきた彼女は平野 慶(弁ちゃん)一緒に異世界転移したメンバーの1人だ。
何でこんな切れてるんだ?
「そうよねぇ、5年も連絡してくれないもんねぇ〜」
「へ?2年前に手紙と一緒にプレゼントをギルドに渡してくれって頼んだんだけど届いてないの?」
ギルドの職員がネコババしたのかな?
「う〜ん、プレゼントってこれの事かなぁ?、女の子に薙刀のイヤリングはどうかと思うのよぉ〜」
弁ちゃんは右手で右耳に着けた薙刀のイヤリングを触りながら、左手をすばやく俺の方にのばしてきて、頭を締め上げアイアンロックしてきた。
「ぐわぁ〜〜〜!!!」
どんでもない握力で気を失いそうになる。
「腹に力をいれろ!!!」
その言葉と共にイヤリングを触っていたはずの右手で俺の腹を殴ってくる。
「うぐぅ……」
いきなり腹パンって! 酷いよ弁ちゃん、ちゃんと理由をいってから殴ってよ。
「クロウ君、私が何に怒っているか解る?」
いや怒ってることしかわからないよ弁ちゃん……
「え〜と、パーティーを抜けてから連絡しなかった事ですかね?」
「それもあるねぇ、でもクロウ君パーティー抜けさせたつもりないからね」
「へっ? どういうことだよ、俺は5年前日本に帰る方法を別で探すからって言ったよね?」
「私達はねクロウ君がちょっとの間、別行動するだけだと思ってたんだよ、それを勝手にギルドにパーティ脱退申請して驚いたんだよね」
「ちゃんと俺1人でやりたいからパーティ抜けるよ、ギルドに申請しておくよって言ったと思うんだけど……」
「言ってないわ! 『ちょっとパーティ離れたいんだ、ギルドに申請しておくから、定期連絡するから』って言っただけよ!」
あれ?そんな言い方だったかな?
やさしそうな顔の
「クロウ君、全く定期連絡しないじゃないか、2年前に『帰還無理』って書かれた1文だけ送ってきただけって、どういう神経してるんだよ!」
「手紙出すのもお金かかるしね、帰還方法があるなら書くこともあったんだけど無さそうなんで要点ままとめたらそうなったんだよ!」
「はぁ〜この男はっ! まあ良いわ、時間もあるしたっぷり話し合いましょうね♪ まずは正座して」
「ハイ……」
そして話し合いという弁護人のいない裁判が始まった。
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