第40話

「さあ、るみか、このお酒を飲みなさい」

「でも、私、未成年ですよ」

いや、そういう問題だけではない、

みんなを見下ろす。

ステージはあまり高くないが、見下ろすには十分の高さだ。

人形には何も出来ないが、人形に助けを求める。

最後の悪あがきをしてるしか出来ない自分の不甲斐なさが

悲しい。

「あなたが飲まないとみんなが悲しむの

全くつまらない人ね。

なりたくてもなれない跡継ぎの座を捨てようと

するのもそうね。本当、つまんない」

≪つまんない≫その言葉が胸を抉った。

『みるか、ノリとか知らないの~?、つまんなすぎ』

友達に言われた言葉だ。

その言葉を言い放たれてからもう≪ノリを知らない人≫

≪つまんない人≫にならないように≪ノリ≫

だけはと、守っていた。

だからか、今、玲に言われた≪つまんない≫

のせいで、過剰反応してしまった。

≪ノリが悪い≫と言われたわけではないし、

この事は関係ないのに今まで守ってきたものを

壊したくないと思ってしまった。

だから、口が勝手に動いた。

「はい」

何で出来てるか分からない酒に口をつけた。

「いいこね」

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