第４話 ～ダイエットとその結果～
それは４年ほど前。
夫が単身赴任して５年が過ぎた春のこと。
いきなり、
やろう！ダイエット！
という波が小烏に訪れました。
実は父の三回忌が４か月後に迫っていたのです。
手持ちの喪服(10年前購入)は葬儀の時、着ることは出来ました。
しかし、おりしも第三次成長期。
「痩せの大食い」「
授乳で脂肪という脂肪を絞り取られる時期も遥かに通り過ぎ、人間ドックで「痩せぎす」を通り越して「痩せすぎ」と言われたのも、もうすでに過去のこと。
今では時流に乗ってしっかりエコ運転を始めている我がボディー。
もしもの時（いつ来るんや？）に備えて、貯められるものはなんでもため込む気満々です。
このままでは、喪服、キツイかもしれない。
イヤ、葬儀の時すでに肩回り、背中あたりキツかった。
最近「豊穣の大地」となりつつある我が腰回り、スカートは今回裂けずに最後までイケるのか？
ちょっと危ないかもしれない。
公衆の面前で、
例えば前に出て焼香で軽くかがんだ時。
例えば椅子に座ったり立ったりの時。
布の、もしくは縫い目の裂ける悲鳴のような音をたててしまったら？
お辞儀をした瞬間、厳かな本堂にそんな音を響かせしまったら？
参列者の記憶に「スカートの裂けた女」として残り続けることに耐えられるのか？
イヤ！
耐えられない！
妹も同じ悩みを抱えているようでした。
二人して「喪服をどんな体型でも対応できる貫頭衣にすべきではないか」などと逃避もしてみましたが、逃避をしても「喪服裂けるかも問題」の解決にはなりません。
結局一緒にダイエットに励むことになりました。
ダイエットと言えばまず思い浮かぶのは食事制限。
が、二人とも家族持ち。
なかなか自分だけ制限をするのは難しい（意志薄弱だし）。
でもせめて「おやつ」は止めよう。
そう決心して、職場で配られるお菓子類は持って帰って子どもたちに寄付しました。
次になんとなく馴染みのある運動にとりかかりました。
基本の腕立て伏せ
一回床に沈んだまま二度と上がっては来られません。
（仕方ありません。小烏姉妹は
腹筋
膝を立て仰向けになりますが、天井を眺めるのみ。
（腹筋は頑張っているのですが、上がるのは首から上だけ）
ここは広く知恵あるものに縋ることにしようと、運動の苦手な二人でも頑張れそうな筋トレの動画をネットで探しました。
速攻で実感したかったので、簡単ながら一週間で完結するようなプログラムを探しました。
では、当時頑張っていたタイトルをご覧ください。
「たった４分、お尻の筋トレ」
「毎日10分・寝たまま華奢痩せ、骨盤締め」
「毎日10分・簡単プランクで簡単お腹痩せ」
お判りでしょうか？
初めの頃は簡単なモノ、楽そうなモノを選んでいたんです。
何しろ運動苦手なんで。
普通とりかかるであろうウオーキングすらしたくなかった小烏姉妹。
しかし動画の能書きにある１週間、２週間たっても効果は出ない。
動画の中、小烏姉妹より後から始められたインストラクターの奥様（ぽっちゃりさん）はどんどんシュッと細くなっていくのに、小烏姉妹に変化は、まるでない。
台所に張り紙をしました。
「流しに寄りかかるな！」
「尻を締めろ！」
しかしこのまま「簡単」シリーズでは思うようにいかないのではないかと思い始め、食事(朝のみ)を変えました。
「インストラクター」さんの言われるように、
キュウリ（食べ過ぎてお腹を下しました）
アボカド（一生分食べました）
おから（2度と見たくないですね）
ヨーグルト
茹で卵（しばらく食べたくなかったです）
牛乳
昼は子どもたちのお弁当の残り、
夜は普通の食事でしたが白米は少なめ。
プロテインも飲みました。
運動中の水分補給はアミノ酸でした。
そのうち運動のほうもだんだんハードな筋トレに移行。
「－３㎏・エアフラフープ、サイドベンチ、30秒×18セット」
「－３㎏・足パカ、腹筋、30秒×18セット」
「ぽっこりお腹解消・プランク、ワイドスクワット、30秒×15セット」
「一週間チャレンジ、体幹トレ」
イロイロ組み合わせて時間も長くなっていき、真夏には大汗をかきながら一時間余り筋トレをしていました。
夫の単身赴任先でも、帰省した田舎でも、ヨガマットを敷いて頑張りました。
運動の後、毎日40分以上歩くようになりました。
何回目かの「1か月後」にウエストがキュットなることを夢見て。
妹と励ましあいつつ、お互い尻を叩きつつ、毎日筋トレをやりました。
時には情報の交換もしました。
筋トレやったか確認はもちろんのこと、痩せない愚痴も言いあいました。
毎日体組成計に乗り、ウエスト3か所測定して記録をつけ、微動だにしない数字に涙を飲む日々。
そして迎えた父の三回忌。
喪服は問題なく役目を果たすことが出来ました。
折しもコロナ感染症が始まった頃で、法事はとても簡略化。
「公衆」は存在しませんでした。
さて、一生分頑張ったと思う4ケ月。
体重も変わらず、ウエストサイズにも変化はなく。
「結果が出るのは3ヶ月を過ぎたころ」というインストラクターのお言葉に縋りつつ努力し、実はそれは「若い方のこと」と知った3ヶ月目。
モチベーションがダダ下がりした中、妹がいなかったらとてもじゃないが続いていなかった筋トレ。
そう。
小烏姉妹がこの４ケ月頑張ったのは、ダイエットというより筋トレだったのです。
この4ケ月の筋トレ（ダイエット）で手にしたもの、それは。
寝つきの良さ
爽快な目覚め
肩こりの解消
片頭痛の減少
筋肉の増加
皮下脂肪の減少
血圧の安定
食欲増進
体温上昇
人間ドックでの血液検査の好成績。
体重はほぼ変わらず、（一番期待した）「ウエストのキュッ！」もかないませんでしたが、健康な体にはなったようです（当時）。
注）これは個人の記録です。
医者、インストラクターの指導もなく自己流でのダイエットです。
ツッコミたいお気持ち、反論などは「シロップ」にしっかり浸けてから「オブラード」と「糖衣」で厚めに包んでコメントくださると嬉しいです。
追記）
ウオーキングは時々続いていて、先日はダム湖一周6キロウオーキング大会にも参加してきました。
思い出したように妹から送られてくるながら筋トレ動画を数日頑張って、そのうち忘れるという日々を過ごしています。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
カクヨムで二つ、ダイエットの話しを読みました。
よろしかったら覗いてみてください。
★羽弦トリス様作
「体重108㎏の中年男のダイエット
（現在進行形の日記です）
https://kakuyomu.jp/works/16817330647537017881
★進藤進様作
【エッセイ】「16時間ダイエット」について
（実践の後体型維持されている快挙の報告？です）
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