第17話 高飛車

何でい、この若ぇの、眼鏡外した、のび太みてーな顔して将棋で圧勝かい


そうだ


何かい、のび太があたふたする危ねー局面なんて一つもなかったつーのかい


そうだ、無事そうだ


じゃ、ドラえもんが助けたんだろ、マジックハンド、あれ使ったろ


使ってない


じゃ暗記パン


使ってない、全て自力、そもそものび太じゃないし


あっそう、でお幾つ?


18


18ってEighteenだよ、翼の折れたエンジェルなら溜息覚えた頃だ、

こう言っちゃなんだが、おいらだったらそんな若造に将棋なんぞで負けねーね


随分と高飛車だね


何だい、その高飛車ってのは


将棋指してて知らないのかい? 高飛車ってのはね、飛車の駒をつつーと一気に敵陣に進める攻撃法。でこれが転じ相手を見下し威圧的な態度を言う様になった


何だい、そのつつ―と攻撃法って? 将棋ってのは積んだ駒を指一本で取り合う「将棋崩し」じゃぁねえのかい



違うよ



それは、駒だけに…



それは駒だけに、どうしたんだい



困った困った…




 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る