『一分落語』

第11話 ヤマザキ春のパン祭り

ご隠居　聞いてくんねえ

何だい、八つぁん

此間（このあいだ）、これを持って店に行ったんだ

何だい、その紙は？

ご隠居、ヤマザキ春のパン祭り 知らねぇのかい

あぁ

これはね、パンについてるシールの点数を28点集めると白い皿と交換できる、国民的春の行事だよ

で、どうするんだい

でだ、0.5刻みの点があってそれを専用台紙に貼る、でこれを店員に出した処、店員がいちいち点を確かめだした

で

でだ店員が「0.5点足りません」って言うから、あっしが「四捨五入してくんねぇか」と言ったら「ダメです」とぬかしやがる、「じゃ小皿と交換してくれ」と頼んでも「それは無理」ってな事をいう、で奴さん「お客さん、皿ならもうあるじゃないですか」なんてほざくもんだから、おいらびっくりして「まだ貰ってねーぞ」って返したら、そいつ何つーたと思う

何て言ったんだい

「だってお客さん、目を皿にして数えたんでしょ」だってよ

うまい事を言うねえ、で皿だけに…

皿だけに何だい

何を今更（いまさら）