第3話   転生したアウローラ

 木の葉をお金替えて、町で買い物をする。


 たっぷりの食材に綺麗なワンピースをたくさん選んで、シェルの服もお上品な物を選んで購入した。真冬に寒くないようにコートも上品な物を揃えた。


 長老と戦った時、付き人は半分になったが、残った付き人はアウローラを恐れて、何も口出しはしない。


 さすがの長老も、アウローラとアウローラの子で禁術を使って襲えば、同等に戦える。相手は老婆だ、長期戦では分が悪い。アウローラとアウローラの子は長老をなぶり殺した。


 その遺体はすぐに燃やした。一緒に攻撃してきた付き人も倒れた者は長老と共に灰も残らず燃やした。


 もう邪魔をする者はいない。



 小さな王国だ。



 国王は私。王子はシェル。お金はいくらでも作れる。


 ブーツは新しい物を購入して、アクセサリーも髪留めも美しくしていく。


 ロタシオン王国第一王子シェル・コテ・ロタシオン殿下の花嫁にならなくても、我が子と二人で、自分の国を作るのもいい気がしてきた。


 長老が住んでいた小さな家には暖炉もあり、小さいながらもキッチンもお風呂もある。


 老婆の物をすべて薪にして、燃やしてしまう。


 空いたスペースに、二人のベッドを購入して置いた。


 金の置物を置き、宝石で作られた猫を置いて、念のため剣も備えておく。


 狭いながらも、優雅な家になってきた。


 温かな食事は付き人が作ってくれる。焼きたてのパンも美味しい。


 ある日、買い物に出かけたとき、付き人の姿が消えた。恐れて逃げたのかもしれない。


 それでも、アウローラは、シェルと暮らしていて幸せだった。


 小さな王国は、二人だけになった。



「アウローラ」


「なに、シェル」



 子爵でなくなったアウローラは、学園に通うことはできなくなったが、シェルと二人でいるのも楽しい。


 シェルは言葉が遅くて、アウローラ以外の言葉は欲求を訴える言葉しか話さない。もっと言葉も文字も教えなくては。


 小さくなってしまったシェルを、また殿下と同じ姿にしようかと思ったが、町では目立つ。


 小さな子供の姿だと姉弟に見えるらしい。野菜や果物もオマケしてもらえてお得感は満載だ。元のお金は木の葉だから、ただでもらい、そこにオマケがもらえる。



「シェル、今日はなにが食べたい?」


「アウローラ」


「食べ物を聞いているのよ」


「パンと暖かい物」


「ミルクを買ってシチューにしましょうか?」



 アウローラも簡単な食事くらいは作れる。両親と暮らしていた頃はアウローラも家事を手伝っていたのだから。



「シチューがいい」


「そうね、シチューがいいわね」



 シェルの手を引いて、家に戻る。



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