第58話 幕間

「盗賊王ルバイン殿ですかな」


 


 黒いローブを纏った男は言った。




「誰だ、テメーは」


「私は帝国魔導師4段位、冥符のギザールと申します。以後、お見知りおきを」


「帝国の魔導師か、俺に何のようだ」


 


 ルバインは用心深げに言った。




「あなたからは、強烈な闇を感じまして。強盗、殺人、強姦なんでもあり、殺した人間は数知れず。あなたにやられた人間の怨霊があなたに纏わりついております」


「ケンカ売ってんのか、魔導師様よぉ」


 


 ルバインは戦闘態勢に入りながら言った。




「いえ、あなたに渡したい物がありまして。闇の宝玉です。かなりの闇がすでに溜まっておりますが、あなたが持つことにより、さらに闇は溜まるでしょう。成長していけば、もしかするともしかする。このグラッド王国に闇の魔王が誕生するやも知れません」


 


 ギザールは微笑みながら言った。




「どういうことだ、詳しく聞かせろ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る