第28話 バルガス改

「次は俺の番だな、マシュー代わってくれ。部下の仇をとらなくちゃならねえからな。お前とレンは倒れてる連中にポーションをかけて応急手当してやってくれ」




 バルガスが言った。




「分かりました。バルガスさん、あとはお任せします。さあ、レンさん、ポーションをお願いします」




 マシュー君は何事もなかったかのように俺に言った。


 俺はマシュー君の言葉に結構傷ついたんだけど、誰か俺の心にポーションを振りかけてー




「じゃあ、いっちょやるか。俺はマシューみてえに素早くねえからよ、パワーだパワー。この筋肉は見かけ倒しじゃねえぜ」




 バルガスはバトルアクスを大きく振り上げた。




 ハイゴブリンはそれを手で持った棍棒で防ごうとする。それを見るとバルガスはそのまま力を溜める体制に入った。




 怒りを溜め込んでいるのかもしれない。




 3.2.1.0




 カウントダウンが終わる。




「ドカン」




 バルガスの凄まじい打ち落としが棍棒を吹き飛ばし、そのままハイゴブリンを縦に両断した。




「もう一匹、殺らしてもらうぜ。今度は横だ」




 バルガスがバトルアクスを地面と水平に構える。




 ハイゴブリンはそれに構わずバルガスに突っ込んだ。




「弱えな」




 そう言うとバルガスはバトルアクスを振り抜いた。




 ハイゴブリンの胴が真っ二つに切断された。

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