Dying~Planet

プロローグ

世界は黒い雨に苦しめられていた。

それは通称「ハデスの涙」と呼ばれる現象で、雨に触れた生物をモンスター化させる恐ろしい天災だった。

宇宙研究機構の研究者たちは、このハデスの涙を地球の異常気象によって引き起こされた現象だと結論付けたが、その詳しいメカニズムは未だに解明されていない。

さらに、ハデスの涙が発生したのと同時期に人々の間で得体のしれない能力が顕現したとの報告が相次ぎ、宇宙研究機構をはじめとするあらゆる研究機関で混乱が生じた。

そのため、現在は「ハデスの涙」よりも、特殊能力を持つ者たち、いわゆる「レヴナント」の研究と管理にリソースが集中されている。

各国の首脳らは、このレヴナントを持つ者達を軍事におけるゲームチェンジャーと捉え、新たな防衛センターを設立し、彼らを『スレイヤー』と命名した。

そして世界各地に突如現れる黒い雨の予兆を捕捉できる最新レーダーを全世界が共同開発。全市民にアラートを発信すると同時に、スレイヤーの派遣を迅速に行えるよう環境整備の徹底が行われた。

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【スレイヤー】とは

世界各地に発生する黒い雨に対処する為、国連で発足された特殊部隊員の事だ。

現在、CIC日本支部（Capability Integration Center）によって、国内にいるレブナント持ちの能力者を管理・運用している。

【レヴナント】とは

前世の魂。この魂が顕現した者は前世の特殊な力を行使できる。例として《鷹》のレヴナントであれば、飛行能力や卓越した視力、索敵能力などを得る。