第22話
「なるほど、それで私達を探してたのね」
「あぁ、どうせ依頼するなら、面識はあった方が良い」
牛乳入りの木製マグを両手持ちしつつ、俺の
荒事を生業とする者達で
詳しい話を切り出す前に言いくるめられ、気が付けば
しかも、うら若き乙女と食事できる機会は貴重だとか、支払いまで
「本当に美味いな、癖になったら高く付きそうだ」
「心配しなくても大丈夫よ、クレア。安くて硬いライ麦パンを齧ったら、すぐに現実を思い出せるから」
やや表情を曇らせた槍術士の娘に向け、
「日頃、屋敷で良いもの食べてるからさ、ジェオの口に合わないでしょう?」
「いや、これはこれで
「むぅ、また年齢にそぐわない態度を……」
「何でも美味しく食べられるなら、それで結構じゃないか」
この場にいないもう一人の娘に代わってジト目の幼馴染を
「姿の見えないフィアは朝のお
「ん、いつも
「待ってる間に私達で依頼を
軽く嘆息したリィナが列挙するのは街道及び耕作地外縁での魔物狩り、香油や生薬の原材料となる動植物の収集、王都方面へ向かう大小様々な商隊の護衛など。
それすら無ければ森に入って狩人の真似事をしたり、漁業に使う網造りの内職もしたりして、日々の
「……うちが労働需要のある港湾都市で良かったな」
「言われてみると他の都市より、仕事は多いわね」
「ご領主の父君も順調に
さらりと零した相方の他愛ない呟きに琥珀色の目を細め、
近付かれた分だけ遠ざかりたくなるも、機先を制した彼女はこちらへしなだれ掛かり、薄手の布鎧越しに見かけより豊満で柔らかい胸をぎゅっと押し当ててきた。
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