第16話
「…… 主たる原材料がそこら辺に
「植物繊維を
その反応から評価を上方修正している間にも、羽ペンと
「ふむ、羊皮紙よりも白くて文字が
「どう、領内の特産品になりそうかしら?」
「製造に関わった者達に
手持ち無沙汰になっていた妹をビスケットで餌付けしつつ母が尋ねると、父は少し考え込んでから
つい先ほど自身が述べた事で、西方諸国では知られていない製紙法に関して、年若い息子が理解している矛盾に気付いたのだろう。
「どこで本格的な紙造りの知識を?」
「先に伝えた通り、街で出会った商人らの話を
望外の収穫に過ぎないと
されども商機に
「そこは私達の息子が優秀だという事で宜しいかと」
「分かった、難しく考えるのは止めておこう」
差し出口を挟んだ母の意見に便乗して
「人手が欲しいのだったな、うちが資金を貸し付けている商店や職人らの身内を雇おう、無縁の者よりも口が堅くて真面目に働くはずだ」
「元を
「ははっ、私がやっているのは慈善的な投資だぞ、人聞きの悪いことを言うな」
さらりと笑顔で否定された
「金は
「ふん、我らのような貸主こそが国家の交易を支え、間接的に民草の生活も快適にしているのだがな。溜め込むしか能の無い中央の
何気なく返した肯定の言葉が父の
途中、眠そうな妹のディアと一緒に離れた母から後を
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