いつものだ!(カーク・ダローカー)
喜びや楽しさといったポジティブな感情はその後のパフォーマンスを向上させてくれる。一方で、怒り、悲しみなどネガティブな感情はその後のパフォーマンスを低下させてしまう。できるだけポジティブでいたいがそうもいかない。
自分から全然動こうとせず、何かブツブツずっと言っている同僚を見ているとき――
痛恨のミスをして試験合格が危うくなったとき――
心は乱され余計な思考が入り混じり途端に窮地に追い込まれてしまう。
そんなときどうするか。我々調査隊はその真相を探るべくジャングルの奥地へ向かった……。
シャーッ!
蛇だ。どこからか音がする。しかも複数。どうやら囲まれたようだ。自分が噛みつかれる様子が頭に浮かぶ。緊張で腹がズキズキ痛む。脇が濡れてきた。こんなときどうすれば……。
「イツモノコトダヨ。ダイジョブネ」
現地のガイドがにこやかに語りかけた。どうやらこの蛇たちは普通に歩く分には襲ってこないらしい。恐る恐るガイドの後をついていく調査隊一行。本当に蛇が出てくることはなく事なきを得た。
この調査でわかったことがある。それは「いつものことだ」と自分に言い聞かせることである。こうすることで心が乱れている自分に対し、一歩引いて「いつものことだ」と思う冷静な自分が生まれるのである。こうして自分を分割し、冷静な自分に乗り移ることでまるで副調整室から自分を見ているような客観的な自分が生まれるのである。
怒りや悲しみの感情は、「いやだいやだ」、「どうしようどうしよう」と言ってどんどん勝手に膨らんでいく。そしてパフォーマンスに影響を及ぼしてしまう。そんなときは「はい、いつもの思考ね」と自分を客観視するのが大切なのではないだろうか。
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