素直でない女と男の恋愛 BCスノーボーダー編

最時

第1話 BCボーダーキョウコ

 ベッドに腰を掛けて髪を乾かす。

 そしてスマホを見るとライン着信が一件。

 月曜日の22時過ぎ。

 毎週のあいつからのメッセージ。

「チョコあげるから遊んで(T-T)」

 ・・・相変わらず、私をなめているな。


 私は趣味でバックカントリースノーボードをしている。

 バックカントリーというと、どこでも自由に滑るというイメージがあるかも知れないが、適した場所は限られていて、天候や能力によっても滑れる斜面は限られる。

 意外と狭い世界だ。

 女性も少ないし、その中でそれなりの年月滑っている私はそれなりに知られている。

 

 そんなBCボードの世界で、それなりの経験を積んでいるボーダーしか来ない斜面に、二十代前半であろう若者がいて、つい声を掛けてしまったのが始まりだ。


 その後、連絡先を交換してしまって、たびたび連絡をしてくるから、私のNo1斜面に連れて行ってしまった。

 その日の天候、雪質が最高で、ついあの秘密の斜面の話をしてしまった。

 それ以来たまにの連絡が、たびたびの連絡に変わって、しつこいのでスルーしたりしていたのだが、こうやってまめにメッセージを送ってくるあいつのことを


「遊んであげる♡ ただし高級チョコレートを用意しておくように!」

「やったー\(^O^)/ キョウコさんキノコ好きだから、きのこの山でいいね」

 ふざけているな。

「💀」

「ジョークですよ♡」


 まったく。

 私のことどう思っているのだろうと。

 世代の違いを感じる年齢差だ。ボードのおばさんだろうな(笑)

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