ある日のこと 10
ここはクリエイティブな物書きと、それをこよなく愛する読者さんが住んでいる国『カクヨーム王国』である。
『カクヨーム王国』では、それぞれのカクヨムさんたちが、それぞれの本屋さんを持っている。その本屋さんでは、なんとその店主のカクヨムさん達が書いたお話のアトラクションに、ほぼほぼ無料で参加できるのであーる。
さてさて、今日は何やら嬉しそうにパソコンの前にやってきた、いつもの
「たっだいまー! カクヨーム王国!!!」
―― はぁ、やっと妄想の息継ぎができるわぁ。もう、慣れないTwitterは操作方法がわかんなかったぁ! フォロワーさん全然いないから心細かったし……
何やら最近新しいアプリを頑張って使いこなしている様子。ホームページとやらも作り、一息ついてやっとカクヨーム王国に来れたらしい。
――もう、通知もいっぱいきてて、スマホではみてるんだけど、スマホでコメントお手紙の返信書くの疲れちゃうんだよね! 老眼で! い、いや老眼ではないはずだ。まだ42歳、あ、違った、永遠の26歳! ピチピチのはず! さてと! ではでは早速、いつものあれからいってみようかなっと。
「いでよ通知!」
彼女がそう口に出すと、目の前に『お知らせコーナー』とキラキラ輝く文字がホログラムで現れた。そして、その下に、最新順に通知がずらっと並んでいる。例えば、知ってるカクヨムさんの最新話の通知のところには、表紙イラストが。自分のお話に応援してくれた通知には、ハートマークを持ったカクヨムさんがニコニコしているのが見える。なんとも楽しい『お知らせコーナー』
――えっと、まずは、ちゃんとみてないところからだよね! と、その前に、まずは手紙のお返事を出さなくては!
「いでよ! お手紙コーナー!」
――おお! 結構溜まってる! ということはないけど、でも! いつものあの子や、最近作品をよんで、コメントをくださる方などからチラホラ。う、うれしー! なんか一日いなかっただけかもなのに、ものすごく長い時間いなかった気がする! えっと、えっと、ではでは、どこからのお返事かなっと、
などと言いながら、急ぎ指で何やらお手紙の返信を打つ。
「おお! そうなのだ! 逃したんだよね! 風ちゃん!」
――もうさ、近況ノートでたまに紹介してるゾロ目コレクション、残すとこ、2.3.6.7なんだよね。でもって、エッセイにも書いたけど、1から9まで揃うとシェンロンが出てきて、願いを一つ叶えてくれると思ってるんだよね!妄想で!ここはカクヨーム王国だから、妄想でシェンロン出てきて、願い事を聞いてくれてもいいんじゃないかと! だから全部揃ったら、
「戦争のない世界。みんなが仲良しな世界。カクヨーム王国みたいな世界にいますぐなって!」
――おっといけないいけない。また大きな独り言を言ってしまった。でもさ、ここはやっぱり大きな声で神様に聞こえるように言っとかなきゃいけないやつだと思う。うん。ではもう一度大きな声でせっかくだし言っとくか!
「戦争のない世界。みんなが仲良しな世界。カクヨーム王国みたいな世界にいますぐなって欲しいですーーーーー!!!」
――ふぅ。すっきりした。ということで、チャチャっと返信完了〜! でもって、こちらのお手紙も、おんなじ風ちゃんね、今度は占いの館ね! そうそうまさにいまなカードだね、本日の一枚は『反逆者』だもんねぇ、コメもなるほど。君ならこういうだろうねっと、えっとあとは……
などと、ぶつぶつお手紙へお返事を書いていたが、突然!
「おおおっと! 『祈り』にコメントが! し、しかもなんだって!? 小学五年生!? レビューまで! これは早速呼び出さねばいかんやつだ! いでよ!『祈り』のコメント欄!」
『DITinoue(上楽竜文) 2022年2月26日 17:35
和響さん、初めまして、こんばんは!(
「えええ! (
大変感動して泣いている様子。最近泣くことがどうやら多いのは、歳をとっているせいだろうか、などと呑気に眺めていると、大きな声で、
「レビューもしてくれてる!いでよ! 『祈り』のレビュー!」
便利。妄想世界。青空に向かって、たくさんの白い鳩がお手紙を持って飛び立ち、その真ん中で青色の服を着た男の子が手を振っている、なんとも平和な『祈り』の表紙が現れて、その横にレビューがついている。
『★★★ Excellent!!!
世界の戦渦は誰か止められる?コンピューターを目にするハトみんなだよ―― DITinoue(上楽竜文)
このお話、(
世界を戦渦から救いたい。みんなが平等で楽しい世の中にしたいという強い願いからだと思います。和響さんはこう書いています。「心に響けば、どうか、ワタリドリさんになって、誰かに届けてください」世界平和という名の試練はこの作品はレビュー、リンクを目にする白い平和のハトとあなたの肩にふわりと載せられています。』
「なんてことだ。そうなのだ、その通り、世界が平和になって欲しいだけなんだ、なんてよくわかってくれてるんだ、この、DITinoue(上楽竜文)さんは!」
――って、ん??? そういえば!! しょ、小学五年生!?!?
「まじで!? うちの三番と同い年じゃん!! うちの子は絶対こんな文章書けないぞっ! こ、これは急いでいかねば! いでよ! DITinoue(上楽竜文)さんの本屋さん!!」
妄想世界は大変便利。あっという間に、DITinoue(上楽竜文)さんの本屋さんの前である。場所は「ホラーシティ」と、「ミステリーシティ」のちょうど真ん中あたりというところか。おどろおどろしいホラーシティの繁華街とは違い、少し可愛らしいホラーシティ。例えるのであれば、妖怪などが出てくる異世界アニメのような街並み、とったところであろうか。早速DITinoue(上楽竜文)さんの本屋さんの前についた和響は、そっとドアを開けて、声をかけた。
「こんにちは〜、DITinoue(上楽竜文)さん、いらっしゃいますかぁ?」
――あれれ、今日はお留守のようだ。でもせっかくきたし!えっと、最新作は、
と、DITinoue(上楽竜文)さんの本棚の「最新作」を手でタッチした。
【HOT♡THE☆Dracula・Cafeのドタバタ日記 下 作者:DITinoue(上楽竜文)】https://kakuyomu.jp/works/16816927861108335943
だけど、これは「下」ってなってるから、「上」があるはずだよね、えっと、あ、これだ!
「いでよ!【HOT♡THE☆Dracula・Cafeのドタバタ日記 上 作者: DITinoue(上楽竜文)】https://kakuyomu.jp/works/16816927860706822945
おお! なんか可愛いぞ! なになに?『いらっしゃいませ。このホッと温まるカフェで人血スープはいかがですか?』ほほう、ドラキュラとか出てくるんだね! 小学五年生の世界観で生まれ出た物語、ゆっくり楽しみたいぞ!」
そんなこんなで、すっかり文字数も多いし、元気になった和響とやらのカクヨーム王国での日常は今日も続いてゆく。もっといろいろアトラクションを楽しみたいようだが、現実ワールドでスマホが鳴ったようだ。どうやら今頑張っている『祈り』プロジェクトなるもので、イラストを依頼した人からのご提案が来たそうなので、本日はこの辺で。
いかなる時も、自らの心の中の物語を紡ぎ、心に平和の灯火を灯し続けることのできるこのカクヨーム王国は、今日も様々な考え方をそれぞれが受け入れる、とても素晴らしい平和な世界なのであった。
だがしかし、現実ワールドでは、そうでないこともあるらしい。
この画面を閉じる前に、犠牲になられた方や、ご家族の方々、心配されているすべての方々、そしてこの世界の全てに、祈りを捧げたいと思う。
――黙祷。
世界が戦争のない、平和な世界になりますように。
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