閑話其の十三『生ゴミ物語だよっ!! 後編』
閑話其の十三『生ゴミ物語だよっ!! 後編』
【とある神の日記・其の三】
【俺的神歴千二百七十五年、十月俺(E)日、俺(E)曜日】
何と言う事だ、グリフェスが集めた
普通の蝕(しょく)とは違って喰い殺される事は無いが、信仰心が薄れていくのを感じ取れる。
神を信じる心は
たとえ薄汚れた信仰心であったとしても、俺に捧げられる数少ない信仰心だ、こんな所で失うわけにはいかない、クッ、どうすれば……
≪……げる、友を二人、捧げる……≫
ッッ!!
馬鹿なっ、狂ったかグリフェスっ!!
こんな時に魔人契約を交わすとはっ!!
チィッ、数年前からグリフェスに始めた魔人への誘いが
今の念話で魔神の神霊や眷属に私とグリフェスとの深い繋がりが露見したかもしれない……いや、バレただろう。
グリフェスに俺から送られた僅かな神気が注がれ始めている、その周囲には俺の瘴気も……クソッ!!
もはや『加護を与えていただけ』などと言い訳も出来ん……
ふぅ……落ち着け、まだ魔神側に被害は出ていない、一方的に鷹の旅団が犯されているだけだ、今なら深く詫びれば……ん?
なっ!!
今はマズイっ、他の魔人を呼ぶなっ!!
それじゃ徹底抗戦の構えと思われても……あ、バカ……
そんな……何でこうも次々と……
クッ、俺は、アタシはこんな事でくじけないぞっ、あの美しい戦女神様だって
ホゲェェェーッ!!
神霊と魔神が入れ替わったーっ!?
何で何でぇぇーっ!?
イヤアァァァァっ!!
魔神が何か強そうな悪魔を二体呼んだぁぁっ!?
これは駄目だ、逃げ……いや、早く謝罪に――
アタシがそう決意して立ち上がった瞬間、生まれてこの方感じた事も無い威圧感が全身を縛り付けた。
ベッドで寝ていた邪女神も冷や汗をダラダラと流し、現状で動かせる眼球だけを忙しく揺らし、アタシに視線で説明を求めている。
震えて固まるアタシに説明など出来ない、こんな威圧感を覚えたのは初めてだし、この高まる畏怖心は神界でも味わった事が無い……
そもそも、こんな魔界の辺境にこれほどまでの威圧を放てる存在が何用で来られたのかと、小一時間詳しく問いたい。
魔界の辺境、荒涼とした地、邪神の小さな小さな城以外は何もない、そんなアタシの城に近付いて来る圧倒的強者、無論、知り合いなどではない……
しかし、強者を通した間接的な関りと言う事なら……一柱だけ思い当たる存在が居る。
別に知り合いでもないし直接会った事も無いが、その存在が
城壁が音も無く崩れる様子がこの四階の窓から見える。
土煙の中から巨大な魔狼が出て来た、その背に……ッッ!!
さ、
破壊神じゃないかっ!!
何で……
窓越しに破壊神と目が合った。
破壊神の存在が膨れ上がる、大きさが把握出来ない。
これほどまでに実力差が有るのか……
気付けば破壊神が目の前に居た。
「「「親父の邪魔をしたのはお前か」」」
「ヒッ???? お、お、おやじ、とは?」
「「「偉大なる祖母アートマンの息子」」」
「「「偉大なる母ヴェーダの夫」」」
「「「お前が敵対した大魔神だ」」」
「あ」
なるほどそうだったんですねー、と冷静に納得しつつ『もう一度
目が潰れて何も見えない、
何者かの声が聞こえる……
だからどうしたと言う話だが……
アタシはまだ滅びたくない、あの人に会いたいんだ……
気付けば命乞いしていた。
「……ケ……タス……テ……」
しかし、返ってきた答えは非情なものだった。
「よぅ生ゴミ、お前は少し
「ッッ!!……ケ……タス……テ……」
この声はあの小さな魔神のものだ……
アタシは破壊神により下界へ引っ張り出されたのか?
魔神はアタシの頭を掴み、何処かへ連れて行こうとする。
しかし、立ち止まってブツブツと独り言を呟き始めると、魔神から何やら絶望した雰囲気が伝わってきた。
魔神はこれから『イズアルナーギ様』と言う存在の許へ行くようだ。
頭を掴まれたままのアタシも連れて行かれるのだろうか……
この魔神が動揺する存在の所へアタシも?
……凄く嫌だ、もう怖いのは嫌だっ!!
「……ケ……タス……テ……」
「あ」
何だろう、『忘れてたヤッベ』みたいな雰囲気を感じる……そして次の瞬間、あの破壊神が可愛く思えるほどの理解し難い強烈な存在感を全身に
ホントに、何なんだよコレ……
「んゅ? 混ぜる用?」
「え、コレっすか……(何故混ぜたがるの?」
夢の中で幼児と少年の声が何やら話をしている、泥遊びだろうか……
フッ、『可愛いものだ』などと思えたのは
「バッタある、混ぜる」
「バッタっすか……(何でバッタを推すの?」
全然可愛くなかった、幼児は惨酷だな……
って言うか、何と混ぜるのかな?
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