第318話『行ぎだぐない……っ!!』





 第百三十八話『行ぎだぐない……っ!!』




【人物紹介】


【真神お姉様】魔神妃。大狼大口真神、日本の古い神。花魁おいらん姿のケモ耳美人、結い上げた黒髪、真っ赤な口紅とアイシャドウ、乱れた着物がゴリラを狂わせる。ゴリラとの間に女児をもうける。魔狼フェンリルからストークされている。


【魔皇帝シャズナブル】ゴリラの義弟。イズアルナーギの養子、大森林から南西へ遥か遠く離れたエイフルニア大陸を統一した英雄。敵より三倍速く動けるらしい。ゴリラの妹を娶る。


【闇の女王オマーン・ハーン=キュベレイ】シャズナブルの育ての親。イズアルナーギの正妻。幼かったシャズナブルを吸血目的で育てていた。とても口が悪がイズアルナーギにメロメロ。


【ナオコ】魔皇帝妃。ゴリラの妹、ゴリラが天に放ったイケナイ波動がアートマンのデリケートな部分を貫いて出来た娘。基本的に全裸、シャズナブルはゴリラの全裸に惚れた。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 変わらず十月四日、昼過ぎ、何故か両腕に鈍痛が残ったので今日の昼飯は侍女達が食べさせてくれた。


 全ての耐性を無視する【貫壊かんかい】はヴェーダの荒ぶるセクロスで鍛えられた俺の残虐ファイト耐性も貫通し破壊した模様。耐性や体の傷は修復されるがそれも阻害する恐ろしいスキルだ。


 いや、恐ろしいスキルに成長してしまった……

 たった三億年の桃色生活でアテナがこれだ……クッ。


 イセトモの二人は桃色空間で兆年の時を過ごしている、アテナの比ではない。つまり、スキルの熟練度も頭おかしいレベルに達していると思われる。


 俺が妖蜂と妖蟻の四姉妹に桃色空間で凌辱されアホ顔ダブルピースで気を失っている間、あの四人はヴェーダを呼んで訓練していた、酷い事をする。


 旦那をアホらせて堕落させ、ペニスが回復すれば代わる代わるアホらせに来る無限ループ……酷い事をする。


 俺が今日負傷したと聞いて文字通り飛んで来た四姉妹だが、ヴェーダが『新しいきさきとイチャついた結果です』と四姉妹にチクった、酷い事をする。


 気付いたら桃色空間に五億年居た、ヴェーダが入ったので一億年余分に増えた、酷い事をする。


 昼食後、俺は心のオアシスを求めてジャングルを彷徨さまよった。


 オアシスは見つからない、仲の良いオアシスはイズアルナーギ様が創って下さった各々おのおのの出産部屋に居る。つまり古参オアシスは全滅だ、たはーっ……


 大森林には非眷属も多く入って来た。

 見知らぬヤツがチラホラ見える。


 非眷属は俺の体から漏れる神気と瘴気に耐性が無いので近付いては来ない。


 古参は居ないし新参は近寄らない、狼達や熊の双子は真神まかみお姉様のダンジョンがお気に入りで入り浸っているし、ワイバーン達は海の孤島で遊んでいる。


 惑星統一戦が終わったので巡回警備からアニマルズを外したらこれだ……まったく、可愛いから許しているが。


 ふぅ、ハーデスの好物も分らんままだし、何か冥界に行くのが面倒臭くなってきたなぁ……


 そもそも俺は被害者側では?


 不可触神に拉致加害者として仕立て上げられた感もあるのでは?


 不可触神……イズアルナーギ様と言えば、サッちゃんはあの後どうしたのかな、日本の空中大社に戻っていれば良いが。



『ラージャ、そのサッちゃんは現在お見合い中です』


「え、マジで? プププゥ~ッ、だ、誰と?」


『ハーデスです』



 クッソワロタ。面白ぇ~www



『あ、ラージャ、ルシフェルとイズアルナーギが呼んでいます、今からイズアルナーギの神界へ転移させるそうです』



 あ、それは面白くないです……




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 ハイ、一瞬でやって参りました、ここは……魔皇帝の城ですな。



「やぁ義兄きょうだい、元気だったかな?」

「オッス、元気ですよ、魔皇帝さんもお元気そうで」



 魔皇帝シャズナブル、俺の妹ナオコと結婚したチャレンジャーだ。


 金髪碧眼の美丈夫、タイトで真っ赤な衣装が魅力的。いつもの様に変なアイマスクを着用。


 で、妹は魔皇帝の隣で鼻をほじっている、まんまゴリラやな……


 俺が残念な妹を見ていると、魔皇帝の横に居る黒いドレスを着た金髪碧眼の眼光鋭い美女がニヒルに笑った。



「久しいな猿王、此度こたびいくさでは敵陣の最奥を単独でいたと聞く、見事だ、俗物にしてはよくやる」


「あ、ハイ、アザーッス」



 魔皇帝の御母堂でイズアルナーギ様の正妻様、闇の女王オマーン・ハーン=キュベレイさん、イズアルナーギ様に強化された激強ヴァンパイアです。非常に口が悪いです。


 彼らとの挨拶が終わると、イズアルナーギ様の使徒と呼ばれる人達が次々に挨拶して来た。


 ふむふむ、全員強いな、巨大戦艦を案内してくれた巫女さんも居る、名前は【日下部くさかべ 緑夢ぐりむ】と言うらしい、凄い名前だ。この子がガッチガチのサイコパスらしいが、そうは見えんな……



『ハーデスに見初みそめられて困っていたサッちゃんに『冥界でイザーク教を布教させなさい』と、イズアルナーギが使徒に倉庫として与えた真っ暗な亜空間内で二年掛けて説き伏せ、今回のお見合いを強制したのはその緑夢ですよ』



 サイコやん……暗闇で二年間の説教はキツイ。

 いや、二年耐えたサッちゃんもスゲェな……

 イズアルナーギ様のトンデモ空間が悪用された感じですね……


 って言うか、ハーデスが見初めたのか……



『ペルセポネーが消えて激怒したハーデスがゼウスに抗議する為オリュンポス山に現れたそうで……』



 その時ゼウスは既に魔界へ護送されてただろ。



『ええ、代わりにルシフェルが対応、ペルセポネーの事を知らなかったルシフェルが大艦隊の旗艦でヘラクレスオオカブトを観察していたイズアルナーギを呼びました』



 ほほぅ、その時サッちゃんと緑夢ちゃんも付いて行ったのか。



『そのようです。ハーデスはサッちゃんを見た瞬間、腰砕けになったとか、一目惚れだったようですね』



 なるほどなー……

 サッちゃんはハーデスがタイプじゃなかったのかな?



『そうではないようですが、ラージャが居ますからねぇ。今のところ緑夢の説教で納得した様子を見せてはいるものの、私から見れば未練タラタラと言ったところでしょうか』



 え、嫌だ、新しい恋を見つけてお願い。

 そんな状況で何故俺が呼ばれたんですかねぇ?


 会ったりしないよね? 心変わりするかもじゃん?

 大魔王さんは俺に何をやらせたいんだ……?



『少しお待ちを……あら、ラージャをここへ呼んでくれとイズアルナーギに頼んだのは緑夢だそうです』



 え、何で、スッゲェ嫌な予感するなぁ……



『ラージャの全開性宇宙セクモでサッちゃんに【わからせックス】してもらって完全に屈服させたい、とか?』



 それサイコじゃなくてクズじゃねぇか……

 有りそうな推論ヤメロよ……


 マジ何の用だろう……行きたくねぇなぁ……









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