第14話

 宿屋に戻ると既にルルカは帰っていたようだ。


「お帰りなさいませ」


 いいな、この感じ。

 ルルカは服を脱ぐのを手伝ってくれる。


「奴隷商はいかがでした?」


「若い奴隷しかいないと言われた」


「そうですか……」


 ルルカの服を脱がせベッドに座り抱き寄せる。


「買い物は済ませた?」


「はい、あのお釣りを」


「それはそのまま持ってて」


 パンツの中に手を入れ直接お尻を触りながらキスをする。


「ん……」


「このまましてみて」


「ハイ……」





 2人で夕食を食べてるとルルカが昼間のことを話してきた。なんでも古い友人に会ったらしい。


「明日は家にいるのでツトムさ、んと一緒に来るよう地図を渡されました」


「俺も?」


 奴隷の主人に気を使ったのだろうか?

 いやむしろ奴隷単独では来づらいだろうというルルカへの配慮か。

 コーネル騎士爵夫人は気さくな性格らしいが初対面な俺が行くのもな……


「ルルカ1人で行くといい」


「よろしいのでしょうか?」


「面識のない俺が騎士爵夫人しかいない家に伺うのもちょっとな。

 今日の金はいくら残っている?」


「9,000ルクほどです」


「ならそれで何か菓子でも買って持って行くといい」


「そ、そのようなお気遣いまでされては申し訳なく……」


「いや招かれる以上必要なことだ。菓子店の当てはある?」


「はい。以前王都に来た時に利用した店があります。箱詰めで3,000ルクほどなのですが」


「それなら2つ買って、1つを贈答用に包んでもらって騎士爵夫人に。もう1つは持ち帰って、俺も食べてみたい」


「かしこまりました」


「それとこれを今日買ったバックの内側に布で縫い付けるように」


 ルルカに小金貨2枚を渡す。


「!?」


「緊急時とかにルルカの判断で使ってくれ」


「……はい」




 ベッドに横になり久しぶりにステータスを見る。


川端努 男性

人種 15歳

LV17


HP 141/141

MP 821/1085


力  43

早さ 55

器用 61

魔力 195


LP 13P


スキル

異世界言語・魔法の才能・収納魔法Lv4・浄化魔法Lv4・火魔法Lv4・風魔法Lv2・水魔法Lv1・氷結魔法Lv4・土魔法Lv4・回復魔法Lv4・魔力操作Lv3・MP回復強化Lv3・MP消費軽減Lv3・マジックシールドLv7・身体強化Lv2・剣術Lv1・槍術Lv2・投擲Lv1・敵感知Lv3・地図(強化型)・時刻



 さすがにずっと魔盾の練習をしてただけあってLv7である。

 それに剣術スキルは今日の一振りが決め手だったのだろう。

 槍は指導のおかげだろうか。



「失礼します」


 魔盾の練習をしていたら裁縫を終えたルルカが抱きついてきた。


 夕食前に2回したのに……


「ん……ん……」


 ルルカのほうからキスしてくるなんて…


 我慢できるかあああああ




「奴隷商でのことなんだけどさ」


「はい」


 一戦終わった後に回復魔法を使い話しかける。


「いくら高額だったと言っても5年とか10年の期間で考えれば人を雇うより圧倒的に安いのにどうして売れなかったの?」


「それは特定の職種以外奴隷を従業員として働かせるのを国が法で禁じているからです」


「え? あれ? 確か売れなかった奴隷は労働力として商人や地主に買われていくって……」


「単純労働や荷役・開墾・農作業・工事や建築作業などが国から許可されています。あとは娼館と鍛冶師のような技術の習得に長期間を擁する職が弟子とする場合などが不文律として許されています」


「じゃあ買う時に商売に未練がないか的なこと聞いたのって意味なかった?」


「申し上げにくいのですが……」


 なんてこったい。


「それじゃあ価格を下げなかったのはなんで?」


「私は債務奴隷ですので奴隷商は販売を担当して手数料を得るだけでして、価格を下げるには債権者の許可が要るのです」


「それだと奴隷商の利益にならないのではないか?」


「はい、債務奴隷の販売を引き受けることは奴隷商として営業許可を得る際に義務として課せられますので、王都でしたら3店の奴隷商が持ち回りで対応してると思います」


 冒険者における緊急招集みたいなものか。


「こんなことついでに聞くようなことじゃないのだけど……」


「何でもお聞きください」


「ルルカはお子さんは?」


「……娘が1人おります。ツトムさ、んより1つ下です」


「今どうしてるの?」


「両親と祖父母のところに預けております」


 話を要約すると、ルルカの両親はロクダーリアで雑貨店を営んでいた。結婚するまでルルカも店を手伝っていた。ルルカの娘が生まれてしばらくして店を閉め、夫の商会を手伝うルルカの為に子育てを手伝っていたが、数年前に祖父母の住む東の商業国家コートダールに移住していった。


 商会が立ち行かなくなる状況が見え始めた頃、ルルカは両親の下に娘を送り出した。


「コートダールでは遠いな」


「……」


「バルーカで落ち着いたら手紙を出すといい」


「よろしいのですか?」


 心なしか嬉しそうな感じだ。


「構わないぞ。その他にも御両親や祖父母殿にも手紙を書いたらどうだ? どうせコートダールに出すのならまとめて送るほうがお得だろう」


「はい!」


 今度ははっきりと嬉しそうだ。








「おはようございます」


 翌朝目覚めるとルルカはまた既に起きていた。


 即2人の口の中に浄化魔法をし、ルルカを抱き寄せキスをする。


「ん……」


 舌を絡ませながら双丘を揉んでるとルルカからも抱きしめてくる。

 たまらなくなりそのまま1本。




「もし可能なら騎士爵夫人に首都で美味しい肉パンのことを聞いてみてくれ」


「かしこまりました」


「無理にではないぞ、出来ればでいいからね」


「はい……。ごしゅ……、ツトムさ、んは今日はどうされるのですか?」


「おしおき」


 少し乱暴に揉みしだく。


「アンッ」


「最後の奴隷商はちょっと遠いから、まずギルドに行って残りの時間次第だな」


「はぁはぁ。ん……」


 キスして抱き合ってると離れられないので朝食に向かった。




 まず行くのは商業ギルドである。


 受付で明日の競売時間とドルテス(王都とバルーカの間にある都市)行きの乗り合い馬車の時間を聞く。


 担当者(肉食系エメリナさん)を呼びましょうと言われたが時間を聞きに来ただけとなんとか回避し、冒険者ギルドに行く。


 今日は午後の指導はないらしく、午前の指導を受ける。


 模擬戦で2回も勝てたのでニヤニヤである。

 その20倍は負けてるのだが都合の悪いことは忘れるに限る。


 その後は資料室で主に魔法関連の書籍を閲覧し夕方前に宿屋に帰る。

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