#7
回転式の天蓋がゆっくりと回り、濃紺にダイヤを散りばめた側へと変わる。肉を焼くほどの暑さは消え、今は天蓋に瞬く星々のようにきんと冷え切っている。
何処から来て何処へ往くのか。
月明かりの向こうを旅の一団と駱駝のシルエットが歩んでいった。
夢の粒は足元の砂ほどにも、星々の数ほどにも。
掬えば手のひらから零れ落ちる夢の粒。
自由に夢を見よう、幾千幾億の夢を見ても咎められる事はない。
月が口元をつり上げた。
太陽と月が機械仕掛けのぜんまいの音をたてながら天蓋をくるくると入れ替える。キャラバンの影は早送りで巻き戻り、風は吹いた場所に消えていく。
全く時間ほどいい加減なものもない。
熱い日差し、氷のような夜を幾度となく巻き戻した場所にあるのは。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます