第13話 夏休み突入
夏休みに入って三日目、俺は早くも出された宿題全てを終わらせた。もちろん、読書感想文や自由研究もそのうちに含まれている。
読書感想文には、映画化もされたハリポタの第一作を題材にそれなりのものが書けたと思う。
自由研究は、どこにでも売っているキットを購入してきて飛行機のプラモデルを作成してみた。ここら辺で目立っても大してモテないので、大声で言うことでもないが、はっきり言うと手抜きだ。
それでも自由研究に時間をかけて他がおざなりになるよりは遥かにましだし、何より合理的だと俺は思う。
それに加えて俺は毎日勉強と運動と自慰行為で忙しいからな。興味がなくともやらなければいけないことは早めに終わらせる。それが最も効率的なやり方だ。
宿題が終わった時点で残りの夏休み期間は二十日。バスケの練習で半分予定は埋まっているが、一日中というわけでもないので、残った時間で勉強をしたり、ギターを練習したりして、他の日は完全休養日にしている。もちろん、何の予定もない日は、トレーニングを欠かさず行なっている。
おかげで俺はさらなる成長を遂げ、今の俺なら綾瀬川との徒競走で絶対に負けないと断言できるほどの自信と実力がついた。
いや、綾瀬川どころか今の俺なら一学年上の最速の先輩にも勝てると思う。
九月に入れば、全学年で行われる持久走があるので、そこで勝手ながら勝負させてもらおう。最速の称号は俺がもらう。とは言っても、俺が勝手にその人に当てはめた称号だけどな。
学校行事とは別に、八月の終わりにはバスケの地区大会がある。
前世で全道に行った強豪相手に勝ってからの我がチームのやる気は最高潮を常にキープしている。日に日にみんな成長していってるし、前世のように一回戦負けでは終わらない。
目指せ優勝。そして全道大会! それが今のチーム目標だ。
当然そうなってくると日々の練習量も多くなってくるが、そんなことで泣き言を言うチームメイトは一人もいない。
みんななんだかんだで試合に勝ちたいと思っているのだろう。いい傾向である。この調子で大会までひた走る。俺達の歩みは止まらない。
こんなことを言ったら負けフラグみたいだから言葉には出さないけどな。
ギターの腕前もかなり上達した。
既に簡単な曲くらいなら完璧とはいかないまでもそれなりに弾けるようになっている。
今は簡単な曲と合わせて中級レベルの曲も練習し始めている。曲が弾けるようになるとギターをさらに楽しく感じるようになった。いつか誰かとセッションしたりしてみるのも面白いかもしれない。誰かとは言っても、今のところその相手は母以外にいなかったりするが、それについては中学高校に進学していけば自然と解決するだろう。前世の友人には何人か楽器を弾けるやつがいたから間違いない。
プライベートの方ももちろん充実している。
夏休みが始まって早々に綾瀬川に誘われてサッカーを一緒にやった。
もちろん二人だけではなく、他に十数人誘ってだ。
綾瀬川とは敵としても仲間としても一緒にプレーしたが、流石は地区でも有名な選手という実力の持ち主だった。
未来知を使っても元々の実力が違いすぎて、食らいつくのでやっと。それでも彼からすれば、未経験者で自分についてくるだけで凄いと感じたようで、その一日で何度もサッカー少年団への加入を勧められた。
俺がいれば全国も夢じゃないとか、俺と一緒にプロになって日本代表を目指そうとか、とにかくしつこい勧誘を一日中である。
俺はバスケをしているからサッカーをやる時間はないので断ったが、少し魅力的な話だと思ったのは内緒。
何せ綾瀬川は中学に上がるとさらにサッカーの才能を開花させ、彼の所属するサッカー部は地区では負けなしで有名になるからだ。そんな彼と一緒にサッカーで活躍すれば、俺も地区内でそこそこ有名になれることだろう。
今はバスケで忙しいが、もし気が変われば中学ではサッカーをやるのも悪くないかもしれない。
バスケのプロはあまり夢がないか、サッカーはかなり夢があるのも事実。
とはいえ俺が目指すところはプロのスポーツ選手ではなく、ハーレムを築く金持ちイケメン投資家。
プロサッカー選手になって、日本代表にまで選ばれる選手になれば世間からモテモテかもしれないが、毎日が忙しすぎて遊ぶ暇がなさそうだ。それではせっかく特典をもらって逆行転生した意味がなくなる。
そう考えると、やはり目指すべきは金持ち投資家一択だなと思い直した。
そこでひさしぶりに近天堂の株価を確認する。
値は既にかなり上昇して、16,600円から21,200円になっていた。
俺は90株もっているので現時点で見積もっても1,500,000円が1,890,000円になっていて、つまりは390,000円儲かっているということになる。順調すぎるくらいに順調だ。
少し怖くなったので念の為未来知で確認するとまだまだ株価は上昇するとわかった。
故に利確はしない。
もっと沢山儲けて将来楽して楽しいハーレムを築く為に、更なる儲けを期待して俺はリアルタイムで変動を続ける株価を見つめにやつくのだった。
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