ツンデレ美少女は人の心を読めるそうなので、心の中で『大好き』と叫んでみた。
優斗
第0話 プロローグ
「ねぇ、ちょっと前を失礼してもいいかしら? 」
俺、
廉斗に声を掛けた人物は、クラスでも完璧と名高い美少女だった。成績優秀、運動神経抜群、さらには気品ある性格として、クラスだけでなく学校中で有名だ。
「あ、悪い。邪魔だったな」
「謝る必要はないわよ。私が通りたかっただけだから」
クールな対応をされながらも、大人しく道を開ける。まだ次の授業までの時間はあるが、早めに移動するらしい。そういう所が完璧と言われる所以なのだろうと思いながらも、それは口にしないで心にしまう。
「小南さん、相変わらず可愛いな」
「流石はクラスのマドンナだよな」
凛と通った鼻筋に、大きな瞳。高校生の割に幼さの残った顔は、大人びた振る舞いとのギャップがあり、それでいて他も完璧なのだから非の打ち所がない。
(今日も可愛いな、)
周りに釣られずに胸の中でそう呟けば、それと同じタイミングで結愛は体をビクッと震わせた。
「あっ、貴方ねっ! 」
「えっ!? 俺!? 」
「そうよ! 新城くんよ! 」
とっくに通り過ぎたと思った結愛は、振り返って廉斗の所まで戻ってきた。言葉を強くして、廉斗の目をジッと見つめる。ほんの少しだけ頬が赤らんで見えるのは、おそらく気のせいだろう。
「そっ、そういうのは本人の居ないところでやりなさいよ! 」
「そ、そういうのとは? 」
「えっ、それはその………言わせないで! 」
「す、すみません!!!! 」
「分かればいいの! 」
嵐の如く寄ってきた結愛は、それだけ言えば勢いよく教室から出て行った。
「なんで俺だけ…」
「お前嫌われてんじゃね? 」
「廉斗ドンマイ! 」
「……変な励ましなら要らねぇから」
周りからは変に茶化されるが、廉斗は別にそれでも良かった。何となくだけど、結愛が廉斗の事を嫌っているわけではないのは顔を見れば分かるから。
「……俺らもそろそろ移動するか」
「だな」
こうして、廉斗達も彼女の後を追うように移動教室へと向かう。これは、そんな2人の日常の物語。
【あとがき】
・良いなと思っていただければ、コメントやレビュー等お願いします!気になる点がありましたら、遠慮なくお声かけください!
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