どんでん返し超短編小説

萌乃ポトス(松井蒼馬)

第1話 娘のお受験

「昼頃から雪が降るみたい」


 助手席の妻が言う。


「心配だな……」


 神妙な面持ちで言った俺に妻が返す。


「大丈夫よ、あなた!綾香は余裕のある電車で行ったもん」


 今日は娘の志望大学の受験日だ。



 空を見上げる。


 俺の心はこの天気のように曇っている。


 心配だ。


 今日の競馬、荒れるぞ。

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