好き

 僕は自分が大嫌いで、自分が憎くて仕方がない。


 だから、その言葉を信じることができない。


 不安がこみあげてきて、その言葉を何度も求めてしまう。


 だけど、その言葉が僕の心にとどまることはない。


 霞のように消えてしまって、すぐに不安がこみあげてくる。


 本当に、相手は自分のことを好いてくれているのだろうか。


 もしかして、無理をしているのではないだろうか。


 疑ってしまう自分と相手の気持ちを秤にかけて、


 申し訳なさと罪悪感で胸が苦しくなる。


 僕は自分を愛することができず、誰かの愛を受け取ることもできない。


 からっぽの器が満たされることはないとわかっていながら、


 それを求めるだけ。


 満たされることはなくても、一瞬だけは渇きを忘れられるから。


 自己嫌悪と罪の意識で、心が張り裂けていく。

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