仲良しこよし

 それは、小学生の僕にとって戦いだった。


 少しでも早く支度をして、誰よりも早く帰る。


 あるいは少しでも支度を遅らせて、誰よりも遅く帰る。


 誰にも捕まらず、ひとりで帰るための防衛手段。


 捕まってからでは、もう遅い。


 帰り道、つらくて苦しい時間を過ごすことになる。


 傍から見れば、仲良しこよしの集団下校。


 笑っていれば楽しそうですか? 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る