第5話 『死闘の湯』

銭湯マスター




著者:ピラフドリア




第5話

『死闘の湯』




 シタベーは次の選手の紹介をする。次に入場してきたのは、全身泡塗れの男だ。




「アワアワの選手、アワ選手だー!!」




 身長は低いのはわかる。しかし、全身が羊のように泡で囲まれているため、身体の形が見えない。




 観客たちは彼の体を想像することしかできない。




 アワの歩いた後の道は泡塗れてあり、ツルツルしていて滑りやすくなっているのがわかる。

 これはかなり危険な状況だろう。




「さぁ、次の選手の入場だー!!」




 シタベーは次の選手の入場を待つ。しかし、なかなか選手が現れない。




「次の選手〜?」




 シタベーが不思議そうな顔で入場口を見る。




 すると、ゆっくりと何かが会場に向かって滑ってくる。




「こ、これは!?」




 それはびっくり帰った仮面の男と、それに潰されたイモムシみたいな見た目の宇宙人の姿であった。




「これは、事件があったようだ!!」




 二人はすでに気を失っているようで動く気配はない。

 アワの通った道にあったアワに滑って、気を失った状態で滑ってきたみたいだった。




「さぁ!! VTRを見てみましょう!!」




 シタベーはそう言うと、リモコンを手にしてそのリモコンのボタンを押した。




 すると、会場にあるモニターに映像が映し出される。




 それは会場に入るまでの道。




 アワが通ったことにより、道には大量の泡があり、ツルツルしている状態だ。




 その上を仮面の男が歩いていく。




「っち、あの野郎、泡だらけで歩くんじゃねぇ、転んだらどうする……」




 仮面の男がそう言ったところで、仮面の男の身体が注意浮く。




「しまった!!」




 仮面の男は泡に滑ってしまい、転んでしまったのだ。




 しかし、被害はそれで終わらない。




 仮面の男のすぐ後ろを歩いていた芋虫みたいな宇宙人。




 仮面の男が倒れてきたことにより、仮面の男に押しつぶられてしまったのだ。




「あぎゅー!!」







 仮面の男の男。彼は十人もの人間を殺した殺人鬼である。




 彼は元々普通の人間であった。




 趣味は料理。家庭的で美人な彼女のいる若者の男であった。




 しかし、ある時、ある仮面に出会った。




 それはニッコリとした目の表情に、ウサギのような耳のついた仮面である。




 男は友人とキャンプで森にやってきていて、泊まっているコテージでその仮面を見つけたのだ。




「前に使った人の忘れ物か?」




 男は不思議に思いながらも、その仮面を手に持った。




 すると、




「……うっ!?」




 全身の血が凍りつくような感覚。それに人の気配を強く感じる。




 後ろに誰かいる!?




「誰だ!!」




 男が振り返りと、

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