第3話 『熱血の湯』
銭湯マスター
著者:ピラフドリア
第3話
『熱血の湯』
ゴジョウはベッドの上でアツギのことを見る。口には呼吸器が取り付けられており、かなりの危ない状況らしい。
「オレはな……。本当は家で風呂に入る方が好きだったんだ……」
突然ゴジョウがアツギにそんなことを告げる。
何を言っているのかわからない。ゴジョウは銭湯を愛し、毎日銭湯に通っていた。
「オレは銭湯に行った後、家に帰ったら必ずシャワーを浴びてもう一度洗っていた。その理由をわかるか?」
「……わからねぇよ!!」
「オレは銭湯が汚いと思ってたんだ。誰が入ったかわからない。もしかしたらガキがしょんべんしてるかもしれねぇ湯船に浸かる。それを気持ちいと言うことが分からなかった」
ゴジョウは一呼吸置くと、無理して身体を起こす。そして呼吸器を自分で外した。
「だがよぉ、あいつら銭湯に行っても湯船には浸からねぇ、サウナで十分だって言いやがった」
ゴジョウはアツギの腕を掴む。その力は病人とは思えないほど強い。
「オレはそこで初めてわかった。本当は銭湯が好きだったんだって……。他人が入ってるから汚いわけじゃない。他人と入ることに意味がある。そしたら、オレは……」
アツギはゴジョウの涙を見た。あの強かったゴジョウが泣いている姿を初めて見たのだ。
「なら、何故やり返さなかったんだ!! 殴れば良いだろ!!」
アツギの言葉にゴジョウは首を振った。
「俺たちが喧嘩したのは、湯船の中だ。オレがここで喧嘩すれば血が出る。オレなんかの血で、銭湯を汚す気にはなれなかった」
ゴジョウは言いたいことを言い終えたのか。疲れたようにベッドに横たわった。
「アツギ……オレの代わりにお前がいけ」
そう言い、ゴジョウが渡したのは銭湯グランプリへの招待状だ。
「全国の強者たちが集まる大会だ。オレはもう銭湯不能だ。お前に……任せた……ぞ」
「ゴジョウぉぉ!!」
それがゴジョウとの最後の会話になった。
そのあとゴジョウはアメリカに留学してしまったため、アツギは会話することができていない。
電話番号もメールアドレスも知らないため、アツギには連絡を取ることができなかった。
しかし、アツギが会場の観客席を見ると、
「ゴジョウ……」
そこにはゴジョウの姿があった。
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この小説はめっちゃふざけています。あまり深いことは考えずに見てください。
皆さんは銭湯は好きですか?
私はまぁまぁ好きですよ。でも、疲れちゃうのであんまり行けないです。
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