第195話 『ドラえもん』リニューアルとその後の平成版パーマンの話

 2004年7月、来年の『ドラえもん』映画が休止するという情報が公式から公開された。つまり併映作品も休止するというわけで、平成版『パーマン』の将来は全く分からなくなった。

 当時の日記に私はこう書いている。


『 既にあちこちで報じられているのでご存じの方も多いだろうが、来春の映画ドラの休止が公式サイトで発表された。

 空いた春の映画枠はどうなるのか。というのがまず気になる。ZAKZAKの記事では、スタッフの入れ替えも検討しているとのこと。そうなると、現在『パーマン』と兼任している渡辺わたなべあゆむが筆頭に上がる。今回の映画で、「そのうち分かる」とバードマンに言わせている以上、ここでパーマンを終わるわけにはいかないだろう。

 そこでだが、いっそ90分使って『パーマン』完結編を作るというのはどうだろう。それなら渡辺監督も心おきなく映画ドラに専念できるし、東宝も映画枠が空かないで済むし。

 なんてここで書いてても、おそらく制作サイドでは何らかの決定が下されているんだろうな。監督交代だけはお願いだから止めて欲しい。私は渡辺歩版としての『パーマン』の結末を見たいのだ。』


 11月には『ドラえもん』声優陣の全交代が発表された。発表前には映画『のび太と銀河超特急』が四週にわたって分割放送された。今までにないスタイルで、これが『ドラえもん』映画の休止と関係するかは不明だった。新キャストオーディションの時間を稼ぎたかったのかもしれない。


 2005年2月には、4月からリニューアルした『ドラえもん』が開始することが発表され、2006年の映画作品が『のび太の恐竜2006』、監督が渡辺歩になることも発表された。ここで私は、少なくとも渡辺歩が平成版『パーマン』に戻ってくるのは絶望的になったと悟った。

 そして結局、2006年からの『映画ドラえもん』には併映がなくなり、平成版『パーマン』の歴史も途絶えたのだった。

 渡辺歩監督は2006年の『ファミ通』インタビューで『パーマン』続編への意欲はあると語っていたので、きっと当人も心残りだったのだろう。


 後年Xで、当時シンエイ動画のアニメーターだった金子かねこ志津枝しづえが、別紙べっし壮一そういちプロデューサーの依頼で『パーマン』のTVシリーズ版企画書を書いたことをポストしていた。『ドラえもん』リニューアルまでの繋ぎとして検討されたようだが、結局お蔵入りだったという。もし企画が通っていたら、平成版『パーマン』は完結していたかもしれない。返す返すも残念である。


 なお、このリニューアルの煽りをくらい、『ドラえもん のび太とふしぎ風使い/Pa-Pa-Pa ザ★ムービー パーマン』のセルDVD発売は2005年7月までずれ込んだ。『Pa-Pa-Pa ザ★ムービー パーマン タコDEポン! アシHAポン!』のテレビ初放映もかなり遅れ、結局CSのテレ朝チャンネルで2005年5月に放送された。

 平成パーマンの流れは止まったが、テレ朝チャンネルでは『パーマン』の再放送が順調に進み、私はリアルタイムで見られなかった話を視聴して楽しんでいた。


 また、応募し続けていた夏コミにも久しぶりに当選し、私は『パーマン』資料集のコピー本と、自サイトのパーマン二次創作長編小説をオフセット本として出した。Oさんには小説の描き下ろしカットを依頼し、快く引き受けていただいた。

 現在のところ、これが私の最後のコミケ出展となっている。


 次回はパーマンDVD-BOXの話をする予定だ。

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