第24話 救出
「貴様のやっている事を考えれば当然だ!!!お前のおこないで私や奴隷がどれだけ苦しんだのか分かっているのか!!」
「き、貴様・・・私に向かってなんたる口をッ・・・!!!ウゥゥウウ〜痛い!ぎッ!」
「聞くに耐えません、騎士様・・・もう十分ですこの男の苦しむ様を見られたのですから、これで私も奴隷も少しは報われました」
「そうか、“拷問悪魔”(トーチャー・デビル)遊んでいいぞ 好きに殺せ」
”ギャギャ!!ギギギギャ!”
「な、なんだ!その化け物は!!こ、こっちにくるな!!ヒ、ヒィ!!」
「私は屋敷にいる傭兵どもを殺してから奴隷を解放してそちらに移動する、先に戻っていてくれ」
「はい!騎士様・・・ありがとうございました・・・まさか貴方様がここまでのお力をお持ちだとは・・・一瞬でも疑ってしまったのがお恥ずかしい・・・」
「大したことはしていない、ところで奴隷達の受け入れ体制はどうなっている?」
「はい!騎士様から頂いたポーションや布を準備し更に食事の用意も完了しております」
村に行ってからあまり時間は経っていなかったはずなんだけど・・・手際がいい、これは男爵が近くに置くわけだ。
あの無能な男爵の側近をしていたんだ・・・これくらいは朝飯前なのか?こういう人に仕事って集まっちゃうんだよなぁ・・・。
「分かった、すぐにここにいる人達をそちらに送る、戻って待機していてくれ」
「はい、了解しました 失礼します」
「さて、地下に向かうとするか」
・・・・・・・・・・・・・・・・
「おかあさん・・・怖いよ・・・私達どうなっちゃうの?」
「大丈夫・・・おかあさんが守ってあげるから!」
「お腹すいた・・・」
ーードカッ!!
「ひっ!!」
「なんだ!?」
「また誰か連れて行かれるのか?」
「ここみたいだな・・・ざっと30〜40ぐらいか?」
地下に行き鍵のかけられた扉を破壊すると枷を付けられた奴隷達が牢に入れられていた、あんなに小さい子供までいたのか・・・。
「安心してくれ私は君たちを助けにきた」
「た、助けに!?」
「神よ!!感謝します!」
「ありがとうございます!!」
「牢から離れて少し待っていてくれ順番に開けていく」
ーーーーーーーーーーーーーーー
よしこれで全員か? 思ったより時間がかかってしまったな……
「“転移門”(ゲート)さあこっちだこの扉に入るんだ」
「君で最後か?」
「はっ、はい!」
「よし、この扉の先は安全だ 安心して通るといい」
「”生命探索”(ライフ・サーチ)ここに来るまでで傭兵たちは全員始末できたようだな・・・あとは下に一つだけ生命反応があるが奴隷か?」
下に続く階段は見当たらないが……隠し扉とかがあるのかもしれないな。
「残りのMP的にあまり使いたくないが仕方ない“道標”(オート・サーチ)」
魔法を唱えると魔法を唱えた者にだけ見える目的へと誘う光が壁の中へと続き、やがて見えなくなった。
この壁・・・何か仕掛けがあるな・・・ここか?
ーーガコッ
ーーガラガラガラ
壁に手を這わせ一つだけ妙に出っぱっていたレンガを押し込むと壁が横にスライドし更に地下へと続く階段が現れた・・・こんなところに隠し扉か・・・まるでダンジョンだな。
松明をかざし階段を一歩一歩慎重に降りていくと奥に灯りが見えた、頼むから隠しボスなんて辞めてくれよ〜。
もう帰りの“転移門”(ゲート)を使う分のMPしか残ってないんだからな・・・貴重なMPポーションを使うのは避けたいところだ。
「なんじゃ・・・また儂を問い詰めにきたのか? 何度も言ったはずじゃ儂は竜の里なんて知らぬとな・・・」
ここは、また牢屋か? 子供が一人いる・・・しかもここは他の奴隷が囚われていた場所とは比べ物にならないほど厳重な作りになっている。
「君は……奴隷か?」
どうやら俺を男爵の部下かなにかと勘違いしているようだ。
しかもこの子、尻尾にツノまで生えている・・・それに竜の里?。
とにかく警戒されているようだし敵ではないことを伝えるのが先か。
「先に言っておくが、私は男爵とは関係がないぞ? ここに囚われている人々を助けに来た」
「ほう・・・奴隷を助けにか・・・お主、なかなか見どころのある若造じゃな?」
ドラゴン娘・・・まさか夢にまで見た存在がいるとは! やっぱり異世界は最高だ! でもここではしゃぐ訳にはいかない・・・冷静に・・・。
「君はどうして一人だけ囚われているんだ?」
「見て分からんか? 儂が竜の出来損ないだからじゃ・・・竜のように頑丈な身体に麗しい容姿、奴隷にはピッタリじゃろう? それに普通の牢に儂を閉じ込めるのは不可能じゃからな」
「なるほど・・・色々聞きたいこともある、とりあえずここから出そう、牢から離れていてくれ」
「無駄じゃ、この牢は魔法によって何重にも結界が張ってある・・・それこそ、そんじゃそこいらの竜では破壊できないほどにな」
うーん困ったな・・・MPはもう使えないし、仕方がない“アレ”を使うか・・・。
「諦めよ、人間のお主にはどうすることもできん」
ーーカチャ・・・
「開いたぞ? さぁ、もうここに用はない、安全な場所に案内しよう 一緒に来てくれ」
「あ、開いたじゃと!! お、お主!一体何をしたんじゃ!?」
「マジックアイテムを使っただけだが? 少しは驚いてもらえたかな?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます