第4話 盗賊の砦 攻略
「とにかくまだ残党が残っているようだ危険だから君は下がっていた方がいい」
「あ、あの私も着いていっていいですか!私も冒険者の端くれです!足手まといにはなりません!私を逃がしてくれた仲間のために少しでも助けになりたいんです!」
「私、実は“探索者“(シーカー)で仲間達の居場所までの案内なら出来ます!」
「・・・了解した、では頼らせてもらうとしよう 仲間のために自ら危険を冒すのは誰にでも出来ることでは無いクレア殿の勇気と優しさに必ず報いると約束しよう」
「・・・は、はい!あ、ありがとうございます!」
「では早速 案内を頼めるかな?」
「はい!」
・・・・・・・・・・・・・・・・
「ここを右です」
「!クレア殿私の後ろへ 残党が3人くる」
「はい」
曲がり角で待っているとダッダッダッと足跡が聞こえ盗賊の残党がこちらに向かっているのが分かった。
「チッ!上をやった奴はどこに居る!?」
「見たか?門の破壊跡・・・」
「ばかやろう!あんな事が人間にできる訳ねぇだろ!砦にガタがきてただけだ!」
「(来た・・・!)ハアッ!」
「な、なんだおま・・・ぐあっ!」
何の警戒もせずに曲がり角まで来た盗賊達を一瞬で切り刻むと驚いた顔のまま生き絶えた。
「さあ、もう出てきていいぞ」
「・・・うっ」
「どうした?」
「すいません・・・前は怖くてそれどころじゃなかったですけど 死体を見ると・・・」
「(確かにそうだよな 年端もいかない女の子に切り刻まれた死体は流石にキツいか)」
今更だが俺はなにも感じない・・・どうなってるんだ、見た目に中身が引っ張られてるのか?
「(まあいい それより今は)クレア殿こちらに来てくれ」
「は、はい・・・」
「ほら、水だゆっくり飲め 少し休憩するか?」
「ゴクッゴクッ あ、ありがとうございます でも休憩は大丈夫です みんなが助けを待っているのに休んでいられません!」
本当にいい子だな自分の事より仲間のことか・・・少し羨ましい パーティーを追放され続けた俺にも こんな仲間達がいたらどんなに楽しかっただろうな。
「ああ、絶対に救わないとな では先を急ごう」
「はい!」
クレアの案内に従って進み盗賊を倒しながら 最奥部に向けて迷路のようになっている地下を進んだ。
「もうすぐです!」
「”生命探索”(ライフ・サーチ)!反応は5つか クレア殿君の仲間は何人だ?」
「4人です!」
「この先に5人の反応がある おそらく盗賊どもの親玉だろう 警戒を怠らないようにな」
「分かりました!」
・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・や・・・・ろ・・・!」
「!」
「クレア殿走るぞ!」
「は、はい!」
今確かに女性の声が聞こえた 急がないと逃げられるかもしれない。
「はっ・・・はっ・・・はっ !」
「グッ・・・やめろっ!このクソ野郎!」
「うるせぇ!このクソアマが大人しくしろ!!」
「皆さん!!」
暗い通路を抜け少し開けた場所には元々捕虜を捕らえるためにあったであろう牢屋がならんでいる。
その中心にかなり大柄な筋肉質の男が立ち女性の髪を掴んでいた。
「あぁ!?チッ!もうここまできやがったか・・・」
「く、クレア!・・・何故戻ってきた・・・早く逃げろ!」
「クレアさん!ボクたちの事はいいですから逃げてください!」
「クレア!なんで戻ってきたニャ!?」
「・・・クレア・・・早く逃げる・・・!」
よく見ると女性の顔は殴られたような痕があり唇の端からは血が出ていた。
「・・・・・・・」
「クックッ 使えねぇ部下たちが逃がしたってのはお前か?」
「わざわざ戻って来るなんて馬鹿な奴だ」
「酷い・・・!リゼさんを離してください!!!」
「お前がお仲間を救うために連れてきたのはそこに突っ立っているおかしな鎧を着た騎士一人だけか?」
「部下どもが騒いでいるからどんな奴らかと思っていたがたったひとりかよ!!?クックッ!!」
「・・・・・・・」
「何とか言ったらどうなんだ?それとも俺を見てビビっちまったか!!ハッハッハッ!」
「・・・・・・・・」
「ヴァルディさん?」
「クレア殿、私は大丈夫だそれより危ないから少し離れていてくれ」
「は、はい!」
「で、”それ”をやったのは君か?」
「この女の事か?ああ、少し生意気だったんでな?ちょっと痛めつけてから“楽しもう”と思ってなぁ!」
「グゥッ!」
男が見せつけるように髪を掴んでリゼと呼ばれる女性を持ち上げる。
「今すぐに手を離せば楽に殺してやるが・・・どうするかね?」
「オレを殺すだと?ハッハッ!!上等じゃねぇか!!オレはなぁ王都の御前試合で2位だったこともあるんだぜ?」
「騎士様!その男の言っていることは・・・本当で・・・す!クレアを連れて・・・逃げて・・・ください!」
「うっ!クッ!」
男は髪を掴んでいた手を離しこちらに歩み寄って来る。
「クックッ!どうだ俺の言ってることは本当だ 少しは驚いたか?」
「君はお喋りが好きなようだな?四の五の言わずにかかってきたらどうなんだ?」
「随分自信家みたいだなぁ?その自信へし折った時にテメェがどんな顔するかそのおかしな防具をぶっ壊して見てやるよ!!!!」
「抵抗するなら好きにしてくれて構わないが、どのみち君には“死”以外の選択肢は無いぞ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます