本編
序章【4月13日(金)02時02分】
カチャガチャ……
キーボードを叩く音。
暗い室内に置かれた一台のノートパソコンが、持ち主の影を部屋いっぱいに映しだした。その画面には整然とした文字列が打ち出され、今もなお、時間の経過とともにそれは増え続けている。
会員制匿名掲示板:レボルシオン
【→ S が参加しました。】
【例の計画
段取りはしっかり進んでる?】
【勿論で御座います】
【S様ですか?】
【そう
あとどれくらいかかりそう?
もうそろそろ待ちくたびれそうだよ】
【スマホも全国民に行き渡りましたし、順調に進んでおります】
【でかした!】
【おー!!!】
【さすがは大物政治家!】
【それは秘密です】
【ねえ
いいこと思いついたんだ】
【どのようなことを?】
【練習だよ
我ながら今回のゲームは力作だからね!
例の計画を実行する前にテストプレイをすることにしたんだ】
【S様ご自身で?】
【危険すぎますよ】
【そんなこと可能なのでしょうか?】
【大丈夫
というよりもう始めちゃってるしね!
学校で】
【なんですと!】
【あの命がけのゲームを学校で?】
【だから大丈夫
僕がGMだし】
【心配です!】
【あの連中がこのゲームでどう変わるか興味深い
あと誰が生き残るかも】
【今からでも遅くないです
お止め下さい!】
【もう手遅れ
まあ
こっちはこっちで楽しむからあとは頼んだよ
それにね…】
【→ S が退出しました】
パタン…
影がノートパソコンを閉じた。
闇の中、影がその赤い口を開く。
「嫌ならメールを見なければいいんだよ」
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