第21話 首吊り坂の家

某日某所、救急車とパトカーがとある変哲もないアパートの前に集合していた 



其処は長い坂を登った所にあるアパートでアパートのベランダは道に面している 




小道ではあるが朝、夕方になると通勤ラッシュの車がひしめく抜け道のような場所であった 




アパートベランダには完全に青白くなり俯き首を紐で括った成人男性と思わしきものがぶら下がっていた 



時より風が吹くと僅かにゆらっと動くが黒い蠅の集団がたかりブゥ〜ンと近づく者を遠ざける 



ガスのような腐敗臭がする中、鑑識が手袋を着けて淡々とブルーシートを目隠しに設置していく 



其処は通勤道路でもあれば通学路でもある、公共機関も近く場所が限定されそうでこれ以上は書けないが夜はひっそりとしているが朝、昼は人通りも車通りもそこそこある場所 



何故其処で最後を遂げようと思ったか? 



たしかにこの辺りは地場が悪いと言われ国指定史跡もあるが、其処も通学で近道をしようとした生徒が気を失い、のちに精神病院送りになったとか聞いた事もある 



死者は何かを訴える為、最後を遂げたか 



あと、指定文化財や史跡、あるいはパワースポットと呼ばれる場所にも実は注意が必要だ。

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