第6話:最初の戦闘

小早目線―――


「背中任せたからな!打ち損じあって横や後からこっちに来たらお前らをぶっ殺す!」


「了解!任せろ。」


「りょーかい!」


 三人がまたこうやって戦うのは2回目か、味方で戦うとなるとこんなにも心強いんだな。関は攻撃手ナンバーワン。他と動きのキレが違う。防御にほぼ力を使っていないからできること。逆に援護しやすい。3人は背中合わせで撃ちまくる。相手は関の変化する攻撃に付いてこられず、目に見えて弱っていく。


「見えたぞ!弱点はあそこだ!」


 必死に守っている場所そこに心臓があった。


 しかし、


「関左前方!」


 関は左前方からの近距離の砲撃に気がつかず、神力を防御に残してなかったためシールドも出せなかった。


「せきぃっっっっ!」


 呆然と立ち尽くす関の前には安宅くんのシールド。


「っ!安宅!」


「あっ、うぐっ!」


 鈍い音と共に違う方向からの攻撃をシールドで防ごうとしたが破られ、直で受けた安宅くんの体が宙に飛ばされる。


「安宅っ!」


「関待って!」


 思わず追いかけようとした関の肩を掴んで、安宅くんにシールドを飛ばしつつ関の全身を包むようにシールドを形成。


「関!10回まではこのシールドで安全。だから安宅くんの言った通りにやって!!!」


 頷いた関を置き攻撃を交わしつつ地面に落ちた安宅くんの所に行く。血は流れていたが、あの攻撃を受けた割にはまだ大丈夫そうだ。


「安宅くん!!」


「小早ごめん。」


「大丈夫だから!動かないで!」


 シールドとして渡した分神力はかなり少なくなってきている。あいつは最後の力を振り絞るかのように砲撃を強める。シールドを出しながら安宅くんの止血をする。しかし関にシールドを渡した分、かなり神力が少なくなってきている。それと共に痛みを感じないように神力を使っていたため、痛みで視界が歪む。


「小早?」


「っ!大丈夫。」


 すると突然黒いものは体を歪め動きを止めた。


「やった…。」


 ふらっとした身体を安宅くんが支えてくれる。


「すごい汗…無理させてごめん。」


 大丈夫と言いたいけど声が出ない


「安宅、小早!?」


 大丈夫か?と明らか不安そうな顔。こんな関の顔今までもこれからもないな。


「こんなに体調悪いのにがんばってくれてたみたいだ。」痛みで何も言えない。顔を上げた瞬間2人の背中越しに何か見えたような…あれは!一瞬の出来事でなにが起きたか分からなかった。動いてなかった黒いものから触手のようなものが来て、そして目の前の安宅くんのシールドがあって、そこを触手が突き破って安宅くんの体に刺さっている。


 安宅くんに刺さったそれはなにかを吸い取るかのようにドクドクという音を立て、奇妙な動きをしている。


「くそ!」関が触手を切った瞬間、あいつはどこかに逃げていった。


「あ…安宅…くん。」安宅くんの荒い息使いが耳にこだまし、地面についた手が震えていた。

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