峰打ち攻撃兵の英雄伝

マサ

First Season

〜01話€ミネウチの名を持つ者〜

子供「うわぁ!なんだこいつ早い!?このままだと負けちゃう!・・・あれ?背後につかれて攻撃されたと思ったのにやられてない!よし!じゃあ今度はこっちの番だ!!」


青年「まぁこんなもんか…」


子供「やったー!勝ったー!!お兄さん弱いね!」


青年「あぁ、お兄さんの負けだ」


ここはとあるゲームセンター、そこは毎日元気な子供達で賑わっていた

そんな小さな子供達に混じってアクションゲームを楽しんでいる青年ウチダ・ミネトこの物語の主人公である

ミネトは毎日このゲームセンターに訪れては子供達と対戦し、毎回負けていた


対戦は毎回同じような内容で、接戦の中最後の技を決めるタイミングでミネトが相手の意表を突いて攻撃するのだが、急所を攻撃されたはずの相手はダメージは負うもののギリギリHP(体力)を残して、その後の相手の反撃で必ずミネトが負けて勝負が決まる

こんなことを毎日やっているのだ

常連で顔を覚えられている上にやっていることも去ることながら名前も似てたことから今では店員達の中でも噂になり…


店員A「おい、また"ミネウチ"が来てるぞ」


店員B「本当だ、また子供達に何回も勝たせて帰っていくだけだろ?なんでわざと負けるようなことを毎日わざわざココにきてやるんだか俺にはさっぱりだぜ」


こんな会話は日常茶飯事だった

そんな平凡で平和な日常が壊されようとは誰も思わなかっただろう…


ドドーン!!!!!!!!


空からミサイルが落ちてきたのだ

後から分かったことだがこれを撃ってきたのは"Denor(デノール)"という国家でミサイル実験をしていたとのことだ

この国は自らの国家の偉大さを見せつけるべく、10年前から今回のような実験や戦争を繰り返して各地の国家に侵攻しようと計画していた

そして10年前にデノールの被害を受け、それ以降対立し、デノールの国家侵攻の抑止力になり続けている唯一の国家"Spoon"(スプーン)そしてこの2つの国家のちょうど真ん中に位置する小さな島国家"Poodle"(プードル)ここがミネトの生まれ育ってきた場所であり、今回のミサイル実験の被害を受けた国家だ

そして今後の国家対戦に大きな影響を与える存在だということをここで明かそう

そしてついにその一歩を踏み出していく…


たった1つのミサイルによって小さな島国家だったプードルの大半は跡形もなく消滅してしまった。奇跡的にミネトのいる地域と国の中心となるセントラルシティだけが被害を受けなかった

そして即座に国からの命令によりプードルの生き残った全国民がセントラルシティの大きなホールへと集められ、そこで何個ものグループに分けられた


???「みな、聞いてくれ。私はプードル国家総司令部総長のソウマ・ゲンブだ。我々は秘密裏に自国を守るための兵士の養成を行っていた。今回のミサイルで我が国も全面的に戦争に介入することになった。今から君たちにはいくつかのテストをグループごとに受けてもらい、適正と判断を受けた者は今日から我が国のために戦う兵士となってもらう!」


いきなりの出来事に集められた国民も唖然として立ち尽くしたまま時は流れ、言われた通りに国民はグループごとに適正テストを受けていき、ようやくミネトのグループの番がやってきた


監視官「ではまず僕を1回だけ殴ってください」


グループ全員「は?」


上半身に防護服を着た監視官が言った一言にグループ全員はいっせいに口を開けて頭の上にはハテナマークが浮かんでいたが、徐々に1人ずつ様々なやり方で監視官を殴り始めた…

そして最後、ミネトの番になった


監視官「はい、じゃあ君も早く1回だけ殴ってください」


ミネト「・・・了解した」


そう言うとミネトは素早く監視官の前に詰め寄り、しゃがみ込むと監視官の左膝の裏を思いっきり殴った、監視官は途端に倒れ頭を強く打った


ザワザワザワ


周りで見ていた他の監視官達はザワつき、遠くの方から全体を眺めていた総長のソウマがこちらに向かって歩いてきた


ソウマ「君、名前は?」


ミネト「・・・ウチダ・ミネトです」


それから少しの沈黙があり…


ソウマ「ウチダか…よし、合格だ。お前は今日から国家防衛部隊"Guerre"(ゲーラー)に入ってもらう。明日から2軍部隊と合流し、訓練を始めろ」


そう言うとソウマはミネトの他にも何人かの名前を言い始めた


ソウマ「スドウ・アルト、サエキ・ミズナ、カメイ・マモル、この三名も合格だ。ウチダと同じく2軍部隊と合流しろ」


???「はい!」


1人高らかに返事をしたのはスドウ・アルト、ミネトと同じぐらいの18歳前後の青年だった

そして他の国民は臨時で用意された宿泊施設に誘導され、ミネトらの4人がホールにそのまま残った


ソウマ「では合格者の4人は私についてきたまえ」


そう言われ監視官達もソウマのあとを歩いていき、ミネトらもそのあとに続いた

すると長い階段を上った先にはホテルのような個室がたくさんある空間に出た


ソウマ「4人には明日からセントラルシティ地下にある軍事施設アマリリスで訓練に励んでもらう。詳細はまた明日に2軍部隊の隊員に説明させる。今日のところは早めに休息をとりたまえ」


そう言われて4人はそれぞれ別々の個室に案内された

部屋に入る時に監視官からある端末を渡された

それは先に説明した今回のデノールのミサイル実験の概要と選ばれた4人のメンバーの詳細なプロフィールが表示されている端末だった

そこには軽い自己紹介のような内容が表示されていた



ウチダ・ミネト

年齢=18

趣味=アクションゲーム

血液型=A型


ミネトも全て自分に当てはまっていたので次のメンバーの紹介に移ろうと思ったその時だ、ミネトが知らないような設定が表示されていた


ポジション=アタッカー


ミネト「なんだこれ…ポジション?アタッカー?俺はこれから何をさせられるんだ?」


そう思いながら他のメンバーの紹介に移った。


スドウ・アルト

年齢=18

趣味=剣道

血液型= B型

ポジション=アタッカー


サエキ・ミズナ

年齢=18

趣味=フラフープ

血液型= A型

ポジション=サブアタッカー


カメイ・マモル

年齢=18

趣味=機械いじり

血液型=AB型

ポジション=マシンエンジニア


他の3人の紹介を見終えたミネトは明日のために寝ることにした・・・

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