中二のクラス転移

青いの

世界を救う勇者様

ついに、この時が来た。

王家に伝わる、異界の勇者を召喚する魔法。

私はこの命をかけて、召喚を行う。

世界を救うため。


「お父様。」


「ああ、タカシ。どうしたんだ。そんなに慌てて。」


「私は反対です。国王であるお父様が何故、こんな危険な魔法を行う必要があるんですか?」


「僕も嫌だよぉ。おとうさまにもう会えなくなっちゃうんでしょ?」


「今、この場所で召喚の魔法を使えるだけの技術があるのは私だけだ。なあに、大丈夫さ。失敗しても死ぬことは無い。」


「けれど、、」


「さ、もうすぐ時間だ。私は集中するから。すまないが部屋から出ていってくれ。」


「、、、」


少し心が痛いが、しょうがない。

さて、準備をしよう。

地下室へ入り、魔法陣の前に立つ。


「ふう」


とても緊張する。

ここまで緊張したのは妻に告白した時以来だ。

魔力を整え、魔法陣に一気に魔力を注ぐ!


「ぐっ、はああああああ!!」


ピカッ

魔法陣が輝きだした。

もっともっと魔力を注ぐ!

だんだん光が強くなってゆく。

魔力回復ポーションを飲みながら、魔力を注いでいると、遂に魔法陣が魔力を吸い取らなくなった。


「やった、やったぞぉぉぉぉ!!」


「国王様!これはもしかして、、」


「そうだ!成功だ!」


「やったああああああ」


「ただ、今は喜んでいる場合じゃない。

召喚した者に警戒してくれ。」


「承知しました。国王様はお休みになってください。」


「いや、私もいる。異界にいた者はいきなりこっちに連れてこられたのだ。召喚した私がここにいるべきなのだ。」


「、、、」


ピカッ

また魔法陣が輝き出す。


「警戒だっ」


「「「「はいっ」」」」


光が次第に無くなり、勇者が見えてくる。

そこには20人の人間がいた。

この話はその勇者の一人山本 拓海の物語である。

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