第2話「名言製造機(自称)」

 電信柱の陰から怪しい中年男が登場した。男は突然叫ぶ。

「ハンバーガーショップとコンピュータお婆ちゃんは……随分違うぜぇ?」

 

 それはそうだ。男は続けた。

「鉛筆のHBと芸人のHGは……随分違うぜぇ?」

「ムームードメインとゴーゴーヘブンは……随分違うぜぇ?」

 

 何が言いたいのか分からんので呆然としている俺に、その中年男は言葉を続けた。


「つまりだ! 何を言いたいのかと問われればこうだ!」

 どうやらここまでは無駄な前置きだったらしい。


「パチンコはガチンコでぶつかれってことだよ!」と絶叫して男はたいそう満足そうであった。


 俺は「パチンコやらないから分からないね」と返した。事実だから仕方ない。


 渾身の作と思われる言葉をにべもなく拒まれた形の哀れ中年男は、最後の力を振り絞って叫んだ。

「ベルサイユの薔薇とエロサイトの罠には気をつけろよ!」


 男は去った。日本の未来は世界が嫌がる。

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